研究課題/領域番号 |
21K11468
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河村 晃宏 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60706555)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポーツクライミング / 運動解析 / 距離センサ / 姿勢推定 |
研究実績の概要 |
本年度は,スポーツクライミング中の競技者の姿勢推定を目的として,2種類のRGBDカメラを用いた人物の姿勢推定を行った.2種類のカメラはそれぞれ,Microsoft社製のAzure Kinectと,Intel社製のRealSense LiDAR Camera L515である.対象となるスポーツクライミングでは,競技者は様々な形状のホールドがついたクライミング壁の間近で運動するため,人物と背景との分離性能が姿勢推定精度に直結する.また,クライミング中は基本的に人物の背面からの計測になることや,日常生活で取り得ないような複雑な姿勢をとるなどの問題がある.これらを考慮して,それぞれのカメラの動作環境,推定精度などを比較した.推定精度に関しては,光学式モーションキャプチャシステムによって得られた姿勢を真値として検証を行った.その結果,それぞれのセンサにおいて,精度の高い計測距離や,環境が異なることが判明した.また,関節角度などに比べ,重心軌道は,比較的距離センサのノイズの影響が少なく,重心加速度については十分な精度で導出が可能であることが分かった.今後は,背景と人物の分離手法の改良や,人物モデルの変更,実験環境の整備などを行い,各センサにおける姿勢推定精度の向上を図る予定である.また,RGBDセンサから得た重心加速度情報と力覚センサから得た重心加速度情報を用いることで,高精度な重心軌道の獲得を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通りに研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
現在,これまでの実験結果を元に,人物の姿勢推定精度のボトルネックとなる箇所を精査中である.背景と人物の分離手法の改良や,人物モデルの変更,実験環境の整備などを行い,姿勢推定精度の向上を図る予定である.また,RGBDセンサから得た重心加速度情報と力覚センサから得た重心加速度情報を用いることで,高精度な重心軌道の獲得を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた,競技者を集めた運動計測実験の遅延,および出張の自粛による旅費の減少が大きな原因である.次年度中に社会的な状況を勘案した適切な時期に,繰り越した費用を用いて設備を整え,実験を行う予定である.
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