最終年度では,前年度までに開発したRGBD画像による姿勢推定のさらなる精度向上を行った.具体的には,セグメンテーションによる人物領域の抽出および各フレーム間の関節角度の変位の制限による2次元姿勢推定精度の向上,2次元姿勢推定失敗時の例外処理などである.これらの処理によって,最終的な3次元姿勢推定精度の向上,および2次元姿勢情報欠損時の頑健な3次元姿勢推定を実現した.また,上述した人物姿勢推定手法と複数の力覚センサを組み合わせてスポーツクライミングの動作計測を行った.本実験では中級者2名,上級者2名(うち一名は日本代表選手)を被験者として,提案手法と光学式モーションキャプチャシステムによる同時計測を行い,提案手法の精度検証を行った.この実験結果から,従来の光学式モーションキャプチャシステムに比べ,省スペースでの運動計測が可能なことを確認した.さらにこのシステムによって,光学式モーションキャプチャシステムに近い精度で被験者の重心軌道が得られることを確認した.これらの研究成果は,日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会2024にて発表予定である.
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