現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の申請当初、令和3年度は、SARS-CoV-2のS1による全身性炎症におけるTLR4の役割を明らかにすることを目的としていた。しかし、その後の国外における最新の研究によって、SARS-CoV-2感染による全身性炎症はTLR2を欠損させることで大きく抑制され、マクロファージの炎症性応答には主にエンベロープタンパク質が寄与していることが報告された(Zheng, et al.: Nat. Immunol. 22, 829-838, 2021)。そのため、本年度は、自発走運動および対照マウスから採取したマクロファージを用いたS1による炎症性応答の比較検討に留まった。一方、S1によるマクロファージの炎症性応答のメカニズムについて新たに知見を得て、論文として纏めて査読付き欧文学術誌に公開することができた(Shirato, et al.: Molecules 26: 6189, 2021)。以上の背景を総合的に考慮し、本研究の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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