研究課題/領域番号 |
21K11475
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉村 雅文 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (10210767)
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研究分担者 |
宮森 隆行 順天堂大学, 保健医療学部, 講師 (40433784)
廣津 信義 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90360726)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | GPSシステム / 衛星インフラストラクチャーClearSky / ビデオ分析(Vision) / アスリートの特有の動き / 無駄な動き |
研究実績の概要 |
2021年度、基盤研究(C)採択後の研究経費を鑑み、若干の研究デザインの調整をおこなうとともに、本研究の目的を達成するために、順天堂大学スポーツ健康科学部で研究等倫理審査申請を行い、2021年10月26日付けで倫理申請の承認を得た。今回の研究の大きなオリジナリティとなる屋内スポーツにおいても、GPSシステム(VectorS7デバイス)を利用し分析できる「ClearSky」という衛星インフラストラクチャーを体育館に設置するためにオーストラリアに本社を構えるCatapult社と設置期間と費用等々の交渉を行った。この装置設置に関して、Catapult社と交渉する中で、コロナの影響及び費用や設置期間の問題、エンジニアの手配等々、様々な問題があったが、全てクリアし2022年1月に順天堂大学スポーツ健康科学部さくらキャンパスコスモホールに「ClearSky」設置を3ヶ月リース契約で完了することができた。交渉期間には、研究目的達成のために、測定対象としてふさわしいハンドボール競技、バスケットボール競技選手の選定を行い、研究説明、研究同意書等、適切に研究手順を踏み、女子ハンドボール選手、男子ハンドボール選手、女子バスケットボール選手、男子バスケットボール選手による、上位群、中位群、下位群の3群間における公式戦同様のレギュレーションでの練習試合の測定を、2022年4月上旬までに、合計11試合の測定を終了した。ただし、男子ハンドボールに関しては、チームにコロナ陽性者が出たため、2群の練習試合測定となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
室内競技であるフットサルの測定は、様々な困難があり、本研究においては、ハンドボール、バスケットボール競技の測定とした。11試合の測定スケジュールは、2月24日(木曜日)ハンドボール女子の上位群と中位群の測定、2月27日(日曜日)ハンドボール男子上位群と下位群の測定、3月1日(火曜日)ハンドボール女子の中位群と下位群の測定、3月7日(月曜日)ハンドボール男子上位群と中位群の測定、3月10日(木曜日)ハンドボール女子の上位群と下位群の測定を行った。その後、3月18日(金曜日)および3月19日(土曜日)に衛星インフラストラクチャー「ClearSky」をコスモホールからバスケット館に移動作業を行い、3月31日(木曜日)にバスケットボール男子の上位群と中位群の測定、バスケットボール女子の上位群と下位群の測定、4月1日(金曜日)にバスケットボール男子の上位群と下位群の測定、バスケットボール女子の中位群と下位群の測定、4月3日(日曜日)バスケットボール女子の上位群と中位群の測定、バスケットボール男子の中位群と下位群の測定を行った。現在、測定した11試合のGPSデータを「OpenField」を使用し、試合映像を「Vison」を使用し分析準備をしている。 上記と並行して、各群における体力測定(40mスプリント走、ジャンプテスト、YOYOテスト)を予定していたが、現在、ハンドボール女子の上位群と下位群、ハンドボール男子の上位群と中位群は実施できたが、その他の群に関しては、コロナの影響もあり実施できておらず、この5月から6月にかけて実施し、上記と併せて分析できるようにしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ClearSkyで得たデータと専用ビデオ分析ソフト(Vision)を用い映像を同期させ、位置、加速度、方向転換、衝突、跳躍、PlayerLoad(外的身体的負荷指標)、心拍数のデータおよび体力テストの評価も加味し、競技別、男女別、レベル別、時間経過等を含めて分析を開始する予定である。その中で、特有の動き、および無駄な動き、負荷の大きな動き等、分析を行いたいと考えている。上位群には中位群や下位群には見られない動きの特徴や外的身体的負荷があるという仮説、下位群には、上位群には出現しない、何らかの特徴ある運動や外的身体的負荷があるという仮説を検証したいと考えている。さらに、トレーナーやPTと議論し、怪我のリスク等についても特徴ある運動や外的身体的負荷から検討してみたいと考えている。さらに、2013年度~2015年度、2015年度~2018年度に採択いただいた「女子サッカーの競技力向上を目指して」で得た、屋外競技のデータも併せて、比較対象とし研究を進める。 細かな分析活動を通じて、本年度中に学会発表を実施し、来年度論文執筆に力を注ぎたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における、機材の設置およびリース期間は全て終了しているが、支払い費用に関しては、2022年5に支払い予定であるため。
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