研究課題/領域番号 |
21K11477
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
林田 敏裕 筑波大学, 体育系, 特任助教 (10875793)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 運動部活動 / 改革 / 地域移行 / 組織的要因 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
本研究は、運動部活動の地域移行をはじめとする運動部活動改革が実現をすることができなかった歴史的背景を踏まえ、そうした運動部活動改革の実現要因を学校の組織的要因との関連から明らかにしようとするものである。 初年度である2021年度は、運動部活動改革の実現を規定する組織的要因を解明するための分析枠組みを構築するために、運動部活動改革の実現に関する研究はもとより、教育イノベーション研究や学校組織研究分野の諸研究を収集し、批判的に検討を行った。それにより、運動部活動改革をめぐる政策動向を正確に捉えるとともに、2022年度に実施するアンケート調査で用いる主要概念の検討、分析枠組みの構築と精緻化を行った。 また、研究課題としては、1.運動部活動改革における運動部活動の地域移行の位置づけの明確化及び地域移行の類型化、2.運動部活動の地域移行プロセスの実態把握、3.学校及び地域の基礎的属性・特徴(例えば、学校規模や地域スポーツクラブの数量など)と地域移行プロセスの関連の分析、4.運動部活動の地域移行に関連するアクターと学校の関係性の解明、5.校長のリーダーシップなどの学校の組織的要因(校長・教職員・生徒に関連する要因)と地域移行プロセスの関連の究明、の5点とした。 アンケート調査で用いる調査項目については関連する先行研究を土台として検討を進めるとともに、実践現場で活躍する教員を対象としたヒアリングを参考に、操作化を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度については、関連する先行研究(イノベーション研究、教育(学校)経営研究、運動部活動研究等)を収集し、おおよその分析枠組みを構築することができた。その点に関して、本研究は計画通りに進んでいるといえる。ただし、運動部の地域移行に関わる政策動向が刻々と変わることから、2022年度に実施するアンケート調査に用いる調査項目の精査に時間を要しており、調査票を確定する段階までは至っていない。そうした状況を打開するため、改革を実現しようとする学校現場の方々との関係構築及びヒアリングを実施した。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、調査票を確定させるとともに、それを用いたアンケート調査を大規模に実施する。それによって、運動部の地域移行に関わるデータの収集を行い、分析枠組みに基づく統計解析を行う。そして、統計的な観点から運動部の地域移行の実現に関連する要因を考察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度から所属機関を変更したことから、文献の「複写費」がかからなくなった。そのため、2021年度に使用予定であった文献の「複写費」については必要がなくなり、その費用が発生しなかった。 2022年度では、質問紙の返送を督促するはがきの購入に充当する。
|