研究課題/領域番号 |
21K11481
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
谷田部 かなか 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00387028)
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研究分担者 |
藤谷 博人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50278008)
足利 光平 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60645604)
橋本 知明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90534230)
室井 良太 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30832315)
寺脇 史子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80449397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生理心理学 / 脳振盪 |
研究実績の概要 |
脳振盪症状を継続する小児は、受傷後1ヵ月以内に完全な機能的回復を経験すると考えられている。そのため、受傷後1週間の試合復帰は避け、段階的競技復帰プロトコルに沿って競技復帰となるが、①受傷当日には復帰しない、②症状がなくなるまで十分休む、③少しずつ段階的に復帰する、ということだけであり、果たして医療機関受診以前の評価はそれで良いのか、という懸念がある。 特に小児選手は、成人よりも脳振盪後の回復に時間を要するといわれているため、その初期段階は注意が必要である。このような競技復帰に纏わる制度にも重大な難問性を問い、我々は、小児選手の日常生活への復帰チェック、その後のスポーツ現場への復帰チェックのためにも受傷後の一定期間は経時的に生体評価をする必要があると考えている。 本研究では、これまでの外傷・障害調査の経験から、定期的に生体評価(生理心理的評価)および身体機能評価を行う。受傷後復帰する選手へは、頭部外傷10か条の提言第2版に準じ、それ以外の選手は質問紙では拾えない生体反応の経時的評価を試み、再度医学的診断・治療が必要になった選手は、医療連携で各専門医へ送り込むことを試みる。 現地調査を行う準備を進めているがチーム単位で行うか、地域近郊の学校を通して行うか研究計画を細かく立て直しているが、コロナ禍が長引いているため、スクリーニング調査で小児脳振盪経験についての質的研究も並行して試みる。検査項目の質的(量的)改善、簡易的な生体評価からの危険因子も抽出したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍によりすぐに現地調査による量的研究に入ることが難しいため、小児における脳振盪の質的研究を並行して行えるように試験準備を始めている。本年度は交付内定後にチーム単位で行えるか地域近郊で行えるか等、研究協力者も含め研究組織の再構築をし、細かな計画を組み立て直し現在倫理申請中(承認待ち)である。
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今後の研究の推進方策 |
倫理承認が下り次第、まずは小児期における脳振盪経験が衝突等によるコンタクトスポーツによるものか、器質性によるものか、また競技復帰する上で何か問題がなかったか等の質的研究(大規模スクリーニング調査から出現率1%調査)を行いたいと思っている。コロナ禍ではあるが現地調査を行う対象校(チーム)のお願いを進め、2023年から現地調査出来るように準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により現地調査の開始時期が遅れが生じ(倫理承認待ちも含め)、実地調査に必要な消耗品費等は開始時期に合わせて購入するため年度を跨いでしまった。次年度はこの遅れを取り戻して準備を進めたいと思っている。
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