研究課題/領域番号 |
21K11481
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
谷田部 かなか 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00387028)
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研究分担者 |
藤谷 博人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50278008)
足利 光平 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60645604)
橋本 知明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90534230)
室井 良太 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30832315)
寺脇 史子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80449397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 脳振盪 / 生理心理学 / アンケート |
研究実績の概要 |
本年度は、一般家庭における運動(スポーツ)や転倒等による脳振盪様症状を呈した小・中学生のその後の様子について実態を把握するための調査を実施した。 まず、子ども有の一般家庭50,000世帯に対してWebにて事前調査を行った。小・中学校時期において頭部受傷、転倒、衝突等を経験し、その後に様子の変化があったのは6,505世帯 (19.2%/回答33,843世帯)、受傷背景は運動中4,117件(63.3%)、日常生活中3,374件(51.9%)であった。回数は運動中1回(39.5%)、日常生活中1回(35.5%)が最も多く、3回以上も両者とも2割を超えていた。様子の変化の上位3つは、頭が痛い(30.3%)、疲労感(21.2%)、ぼーっとしていた(17.9%)であり、選択肢以外(自由回答)で目立ったのは嘔吐だった。以上より、脳振盪様症状後に何らかの身体・心理的変化、行動変化が存在しており、また一過性でない性格変化・成績低下もみられた。 次に、この6,505世帯のうち対象小児400名の世帯へ本調査を行い、「脳振盪様症状やその後無理をしたこと」、またその後の様子については「行動や気分」、「動作」、「記憶」等に分け、単純集計、クロス集計を行い年度末に成果発表した。脳振盪様症状の発生は日常生活中51%、運動中43%であり、症状は、特にない、頭が痛い、ふらついた、が多かった。また後日脳振盪と診断された者は24%存在した。「行動や気分」では攻撃的、不安、「動作」では素早く動けない、「記憶」ではいつぶつけたか覚えていない、が多かった。運動以外では、物への衝突や落下、遊び等での人との関わりがあり、気づかない経験や原因が潜在している可能性が考えられた。 引き続き、日本での小児脳振盪に対する知識、回復後の症状や実態について更に継続して検討していく所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小児における脳振盪のアンケート調査については事前調査および本調査は施行できており順調であるが、実地調査の準備・開始時期の検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査結果の解析・評価を進め、必要であれば時期をみて追加調査を行いたい。また現地調査を行う対象校選びと開始時期と、必要と思われる測定項目についてもまずは焦点を絞って取り掛かれるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実地調査開始時期の遅れにより次年度使用が生じた。その準備費・消耗品費は次年度に繰り越す予定である。
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