研究実績の概要 |
2022年度の研究成果は,以下の通りである. 1. 卓球ボールの運動パラメータの推定:前年度,卓球ボールの3次元軌跡から運動パラメータ(運動初期の並進速度及び回転方向・回転速度)を推定する方法論を開発し,シミュレーションで有効性を確認した.今年度,実際に測定した軌跡で検証を実施し,比較的安定して高い精度で推定可能であることを確認した. 2. 数値流体解析(CFD)を用いた空力係数の算出:上記の運動パラメータの推定に必要となる空力係数をCFD解析を用いて算出した.CFD解析では風洞実験を模した条件でシミュレーションを行った.風洞内に卓球ボールを固定し,一定の回転速度でスピンさせ,風洞の流入口からある一定の並進速度の空気を流入させた.卓球競技の実際のボール並進速度・回転数を考慮し,並進速度2.5, 5, 10, 15, 20 m/s,回転速度15, 30, 45, 60, 75, 90 rpsの各組み合わせの空力係数(抗力係数,揚力係数(Magnus係数),流体トルク係数)を算出した. 3. 画像データを用いた選手の2次元位置と姿勢の推定:選手同士の卓球ストロークラリー中の動画をデプスカメラで撮影し,深層学習技術を用いた姿勢推定手法を用いて,選手位置・姿勢を推定する手法を開発した. 4. デプスカメラの距離データを用いた選手の3次元位置・姿勢の推定:画像データと距離データの対応関係を用いて,上記の項目3で推定した選手の位置・姿勢に対応する画素の距離データを求め,選手の3次元の位置・姿勢を推定する手法を開発した.
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