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2022 年度 実施状況報告書

女子トップアスリートにおける複合トレーニングが上肢プルパワーに及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 21K11483
研究機関至学館大学

研究代表者

仲 立貴  至学館大学, 健康科学部, 教授 (80468793)

研究分担者 島 典広  東海学園大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70363653)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードバリスティックエクササイズ / ワンハンドダンベルロウ / 交叉トレーニング / 上肢プルパワー / 女子アスリート / VBT / 挙上速度 / トレーニング介入
研究実績の概要

Velocity Based Trainingは、従来のトレーニングよりも、パワーや筋力が向上することが示唆されている。しかし、通常のレジスタンスエクササイズ(RE)は、全力速度で挙上したとしても、動作後半には減速してしまい発揮される力や速度が減少してしまう。これに対して、バリスティックエクササイズ(BE)は、通常のREよりも、有意に高い速度と力を発揮することが明らかになっている。しかし、BEの先行研究は上肢プルエクササイズではほとんど見受けられない。本研究は、ワンハンドダンベルロウの応用エクササイズとして、動作終盤に肩関節を外転・外旋しながら肘関節を素早く伸展するBEの介入効果を検討することを目的とした。また、交叉学習の影響を検証するため非利き腕のみでトレーニングを行った。
対象は大学女子陸上競技短距離選手13名(20.2±1.1歳)で、全力挙上した時の1.3m/sの速度が発揮される負荷を基準としてピリオダイゼーションの線形モデルを用い、介入期間の8週間を2週間毎に負荷を5%ずつ上げた。反復回数はそれに応じて11回、9回、5回、3回で、3セット、週2回行った。介入前後にベンチプルエクササイズを用いて5kg,9kg,12kgの負荷で、パワーを測定した。さらに、コントロールテストとして、介入前の8週間前にも同様の測定を行った。
介入前の8週間前と介入前で、トレーニング肢も非トレーニング肢もいずれの負荷でもパワーの変化が認められなかった。介入後は介入前と比較して、トレーニング肢において体重当たりの平均パワーがいずれの負荷においても有意に向上した。また、非トレーニング肢において体重当たりの平均パワーが5kgにおいて有意に向上した。
以上のことより、バリスティックワンハンドダンベルロウのトレーニング効果が実証され、軽負荷においては非トレーニング肢にも効果があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の影響は多少あったものの感染対策を十分に行うことにより介入研究を最後までやり遂げることができたから。

今後の研究の推進方策

Velocity Based Training(VBT)とエキセントリックトレーニングの複合トレーニングの介入研究を行い、上肢プルパワーの向上効果を検討する。なお、上肢のプルトレーニングは、ベンチプルエクササイズを用いて、エキセントリック局面のみ負荷が重くなる特注の装置を用いて行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において、学会発表等がオンライン開催になったことで支出が減少した。次年度以降は、目的としている研究課題が遂行できるように、効果的な機器備品等を購入し充足させる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Characteristics of bench press and pull power in Japanese collegiate female track-and-field sprinters2022

    • 著者名/発表者名
      Tatsuki Naka, Norihiro Shima, Masaaki Kanno
    • 雑誌名

      Journal of Scientific Coaching for Training

      巻: 5 ページ: 17-24

    • DOI

      10.32171/jscicoachingtraining.5.1_10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristics of upper-limb pull power and power endurance in Japanese female wrestlers2022

    • 著者名/発表者名
      Tatsuki Naka, Masaaki Kanno, Shota Shidochi, Kazuhito Sakae, Norihiro Shima
    • 雑誌名

      J. Strength Cond. Res.

      巻: 36 ページ: e82-e87

    • DOI

      10.1519/JSC.0000000000002378.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] チアダンス選手の競技特異的ジャンプパフォーマンス能力と指導者の主観的評価との関連性2022

    • 著者名/発表者名
      菅野昌明,仲 立貴,都築祐衣,平尾栞理,島 典広
    • 雑誌名

      トレーニング指導

      巻: 5 ページ: 34-40

    • DOI

      10.32171/jscicoachingtraining.5.1_34

    • 査読あり
  • [学会発表] 女子レスリング選手の競技レベル別にみた体力特性2022

    • 著者名/発表者名
      馬場元気,菅野昌明,島 典広,栄希和,栄 和人,仲 立貴
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 反動動作における伸張性筋力発揮中の強さや角速度の違いがその後の筋力発揮に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      島 典広,菅野昌明,仲 立貴,下河内洋平
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
  • [学会発表] ベンチプルのグリップ向きが主働筋の筋活動に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      樋江井雅人,鶴田峻希、菅野昌明,馬場元気,島 典広,仲 立貴
    • 学会等名
      第11回 日本トレーニング指導学会大会
  • [学会発表] 高負荷ジャンプスクワットパフォーマンスとエキセントリック速度との関係2022

    • 著者名/発表者名
      菅野昌明,玉田元気,髙玉夢乃,島 典広,仲 立貴
    • 学会等名
      第11回 日本トレーニング指導学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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