• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

共生の視点を重視した体育科の「評価の三角形」に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11496
研究機関横浜国立大学

研究代表者

梅澤 秋久  横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90551185)

研究分担者 村瀬 浩二  和歌山大学, 教育学部, 教授 (90586041)
大橋 さつき  和光大学, 現代人間学部, 教授 (60313392)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードAAR / 自己調整学習 / 体育 / 評価の三角形 / 学習評価
研究実績の概要

研究3年次においては,評価の三角形におけるAARサイクルの特徴を明確にした。
Learning COMPASSにおけるA(Anticipation:見通し)は,学習者が結果を予測し,目標とその達成に向けた計画を立てることだといえる。それを踏まえ,行動(Action)し,その行為だけでなく,自己の能力等をモニタリングし,振り返り(Reflection),学習者自身が次の見通しをもつサイクルである。そのリフレクションを重視した学びは,日本においても「主体的に学習に取り組む態度」観点内の「自己の学びを調整する側面」で用いられているが,学校現場での聞き取り調査においては,旧「関心・意欲・態度」観点との明確な差を論じられる教員は非常に少ない状況であった。
本研究では,自己調整学習(Self-Regulated-Learning)の3つの段階から,AARサイクルの特徴を明らかにした。 AnticipationとForethought(予見)の共通点は,主体的な学びにおいても帰結を予測した上で立てる目標だという点である。Anticipationの特徴は他者視点の獲得であり,自己調整学習では感情のコントロールが強調されている点が特徴である。ActionとPerformance/Volitional controlの共通点は「見通し/予見」を踏まえ,後に「振り返り/自己省察」を行う前提で実行していることである。「振り返り/自己省察」を行う必然があるため,自己記録や何が最もうまくいくか様々な方法を試す実験/観察データ等を残す必然がある。ReflectionとSelf-reflectionの共通点は「見通し/予見」に基づく,行動/遂行のパフォーマンスに対する自己評価という点であり,Self-reflectionの特徴はパフォーマンスの判断に伴う感情反応についても言及されていることであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

体育の研究であるが,コロナ禍であったため,全般的に理論研究に傾斜せざるを得なかった。
研究3年次は,本務校の役職によるエフォートが増加したため実証研究をまとめ上げるまで至らず,研究機関を1年間延長することとした。

今後の研究の推進方策

研究3年次まで続けてきた自己調整学習内のリフレクション/セルフリフレクションにおいて「評価の三角形」,すなわち,観察,解釈,認知の3つの機能を有機的に活用する実践研究に取り組む。
その際,共生の視点を重視し,運動が得意な子も苦手な子も,主体的・対話的に,運動の機能的特性に没頭できる学習デザインの在り方と,教師のファシリテーションについても言及していく。

次年度使用額が生じた理由

体育科という身体性に関わる教科であるが,コロナ禍ゆえ身体接触が禁止され実践研究が滞ったため,研究期間の延長を行った。
実践研究にかかる経費や,その発表に関連する予算を翌年度に繰り越す必然が生じたためである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 体育科におけるアダプテーション・ゲームの意義:合理的配慮を通じた市民性教育の視点から2024

    • 著者名/発表者名
      村瀬浩二,梅澤秋久
    • 雑誌名

      (公社)日本女子体育連盟学術研究

      巻: 40 ページ: 19-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ウェルビーイング体育」の構築に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      梅澤秋久
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 71(9) ページ: 58-60

  • [雑誌論文] AARサイクルと体育学習2023

    • 著者名/発表者名
      梅澤秋久
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 71(7) ページ: 12-16

  • [学会発表] 持久走単元におけるICT機器の利活用:コミュニケーションの活性化をねらいとして2023

    • 著者名/発表者名
      村瀬浩二,梅澤秋久
    • 学会等名
      日本体育・スポーツ・健康学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi