研究課題/領域番号 |
21K11501
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
三輪 佳見 宮崎大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00182064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 運動指導 / 幼児期の運動発達 / 保護者教育 |
研究実績の概要 |
運動指導においては、学習者の運動を共感的に観察し、「こんな感じ」でやってみるとよいということを、言語やその他のコミュニケーション手段で伝えたり、「こんな感じ」を学習者が感じ取れるような運動教材を提示したりすることが必要である。しかし、学習者が幼児の場合、大人である指導者は、共感しながら子どもの運動を観察することは難しい。なぜならば、這い這いをしたり歩いたりするようになる乳幼児期における運動学習は自覚されていないし、そのときの動感はほとんど思い出せないからである。 そこで、共感的観察ができなくても、保護者が自身の子どもの運動発達について理解できているか確かめてみることにした。年長児を対象として、運動生活史における走ること、跳ぶこと、投げることについて、生後何年何か月ごろに、どのような場面で、どういう動きとして発生したか質問してみると、多くの保護者がわからないと答えた。 以上のように、子どもと運動遊びをしているときに運動を教える必要がある場面に保護者が直面しても、子どもの動きを共感的に観察できないのはもちろん、その手がかりとなる運動生活史もとらえていないことが明らかになった。 こうした実態を踏まえて、筆者が年長児を対象とし、幼児期の運動発達の知見に基づいた運動指導を実践した。その指導について、保護者に解説し、さらに保護者にも関わってもらうことにした。その実践の過程で保護者にどのような変化が生じるか、現在調べている途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
子どもの運動指導に必要な運動生活史に関する理解や子どもの動きを共感的に観察する能力は保護者に欠けていることが確認できた。それを踏まえて、筆者が年長児を対象とした運動指導を保護者に解説しながら実践した。その結果、子どもとの関わり方に改善が見られたものの、コロナ禍で年度後半はほとんど実践できず、取り上げようと計画していた運動種目ができなかった。以上のことから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
宮崎大学教育学部附属幼稚園の年長児親子を対象として、あらたに指導実践の対象者を募集する。コロナ感染対策を施し、指導が継続できるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:コロナ禍で、予定していた実践指導の期間が短縮され、学会もオンラインで行われたため、旅費をしなかったことから残額が生じた。
使用計画:子どもの運動指導を実践するために、指導アシスタントに学生を雇用して安全管理の体制を整えるとともに、指導に必要な運動用具・記録用の消耗品を購入する。また研究資料の収集、研究成果の発表のために学会に参加する。
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