研究実績の概要 |
2022度も新型コロナウィルス感染症から子どもたちを守るために測定を実施しなかったが、思春期の子ども(Tanner scale > 1.0)における脂肪量の推定式を作成する前段階として、思春期前の子どもを対象に開発した式が適用可能かどうかを検討した。 キャリパーで測定した上腕後面と肩甲骨下部の皮脂厚をパラメータとした式(Midorikawa et al., Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition, 2011)を用いた場合、12~14歳の男子(n = 9)の全身脂肪量の推定値と実測値との間に有意差は認められなかったが、12~15歳の女子(n = 11)においては過小評価した。 また、超音波Bモード法で測定した全身9部位(腕:前腕・上腕前後、体幹:腹部・肩甲骨下部、脚:大腿前後・下腿前後)の皮脂厚をパラメータとした思春期前の子どもを対象とした式(Midorikawa et al., British Journal of Nutrition, 2011)が思春期の子どもに適用可能かについても確認した。その結果、12~14歳の男子(n = 7)・女子(n = 7)ともに全身脂肪量は実測値と比較して推定値が有意に低い値を示したが、腕・体幹・脚といった部位別の脂肪量は推定値と実測値との間に有意差は観察されなかった。今後は、思春期にある子どものデータを増やし、再度思春期前の子どもから作成した推定式が適用可能かどうかを検討し、より推定式の精度を高める方策を練る予定である。
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