研究課題/領域番号 |
21K11512
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
山口 英峰 吉備国際大学, 社会科学部, 教授 (30388996)
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研究分担者 |
幸 篤武 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (00623224)
高原 皓全 吉備国際大学, 社会科学部, 講師 (20641327)
高橋 康輝 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (40375481)
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 筋内脂肪 / フレイル / サルコペニア / 過疎地域 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は,日本人における筋内脂肪(筋内に霜降り状に蓄積している脂肪)とサルコペニア,身体的フレイルとの関連性を明らかにすることを目的とする(研究課題1).また,短期的な運動が筋内脂肪に及ぼす影響について検討する(研究課題2).令和3年度は,筋内脂肪とフレイルおよびサルコペニアとの関連性について明らかにすること(研究課題1)を目的とした.
対象は岡山県高梁市に在住で研究参加への同意を得た55歳から96歳(平均年齢:82歳)までの男女499名とした.そのうち,解析に必要な変数に欠損のない91名を解析対象とした.測定は地域の公民館等で実施した.身体的フレイルは,筋力低下,歩行速度低下,低体重,身体活動,疲労感の5つのドメインから判定した.測定項目は握力(男性<28kg,女性<18kg),5m歩行テスト(歩行速度<1.0m/s)とした.低体重,身体活動,疲労感については質問紙から評価した.3項目以上該当した場合をフレイル,1から2項目該当をプレフレイル,0項目該当を非該当とし,ロバストとした.
フレイル判定の結果,フレイルが18名(19.8%),プレフレイル が46名(50.5%),ロバストが27名(29.7%)であり,半数以上がフレイルおよびプレフレイルであった.各フレイル判定項目における該当者数は,筋力低下者が36名,歩行速度低下者が23名,低体重者が14名,不活動者が33名,疲労感を感じてる者が24名であった.研究課題1の結果から,過疎地域住民のフレイル有病率の現状が明らかになった.サルコペニアおよび筋内脂肪評価,研究課題2に関しては令和4年度に引き続き検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,各研究課題の進行が遅れている.
研究課題1:筋内脂肪,体組成の計測が未実施であることから,筋内脂肪とサルコペニア,身体的フレイルとの関連性について評価できていない.
研究課題2:短期運動効果を明らかにするための「健康教室」を通常通り開催することができなかったことから,本実験に着手できていない.
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今後の研究の推進方策 |
研究課題1に関しては,新型コロナウイルス感染状況を見極めながら安全面に十分に気をつけ,積極的に測定を実施する予定である.大規模な測定が困難な場合は,人数を縮小して測定を実施する. 研究課題2については,健康教室が通常通り実施予定であることから,計画した実験が遂行できる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症予防のため,学会および研究分担者との打ち合わせががオンラインになったこと,筋内脂肪測定未実施による被験者および検者(測定項目,質問紙の入力)への謝金支出がなかったことが原因である.次年度は,新型コロナウイルスと共存し,徹底した安全管理のもと実験を実施する.筋内脂肪については,小規模集団での実施も検討する.
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