本研究は、幼児から高齢者まで生活習慣を含めたロコモティブシンドローム調査を実施し、年齢に則した問題点を明らかにし、中長期的なロコモ予防支援を展開することを目的として実施した。本年度は研究最終年度にあたる。本年度も昨年度から引き続きデータ収集を進めた。本年度後半は、新型コロナウイルスが5類になったことで舌圧など感染の恐れのある測定項目の調査が可能となった。また数年ぶりにデータ収集の協力が可能となったこども園などもあり、昨年度調査数の少なかった幼児期と壮年期のデータ収集を実施することが出来た。幼児を対象とした研究ではコロナ禍を経て問題となっているスクリーンタイムについての調査も実施することが出来た。今後、解析し公表していく予定である。 また、壮年期女性の将来におけるロコモ不安について調査を行い、ロコモティブシンドローム予防には本人の不安感という自覚をきっかけに介入していくことが有用であることを公表した。高齢者の体力年齢についての結果も公表を行った。 3年間の研究期間で行った調査については報告書やリーフレットを用いて、協力施設・園ならびに個人にフィードバックしロコモ啓発に繋げた。特に調査を長年継続している園では子どもロコモへの意識が高まってきた。研究期間を通じて、高齢者だけでなく、各世代でロコモ調査を行うことで世代ごとの問題点が明らかとなり、世代ごとの予防支援を明らかにすることが出来た。今後も継続し、介入研究に繋げていく予定である。
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