研究課題/領域番号 |
21K11529
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
佐藤 雅幸 専修大学, 経済学部, 教授 (50170783)
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研究分担者 |
平田 大輔 専修大学, 文学部, 教授 (10348823)
李 宇ヨン 専修大学, 文学部, 教授 (40646345)
齋藤 実 専修大学, 文学部, 教授 (50322433)
角田 真紀子 専修大学, 経済学部, 准教授 (50361598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イップス / ジストニア |
研究実績の概要 |
1.イップスに関するアンケート調査 調査対象:高校・大学の野球部に所属する野球選手151名。平均年齢17.64±2.10歳、平均経験年数9.90±2.70年であった。そのうちイップスであると回答した選手は高校生23名、大学生14名であった。調査内容、田辺(2001)のイップスに関するアンケートを参考に作成しなおした。内容はイップスになった時期、症状、対処方法などに関する内容であった。② 野球選手のイップス尺度は内田(2008)のイップス尺度を用いた。この尺度はイップス傾向を測定する尺度として「予期不安」「身体像の歪曲」「自然体の欠如」「周囲からの助言」「他者肯定」の5因子21項目で構成された野球の投・送球におけるイップス尺度である。③心理的競技能力診断検査徳永ら(1994)が開発したDIPCA.3は競技場面でスポーツ選手に必要な心理的能力に関する52の質問から構成され、5因子12尺度DIPCA.3の因子・尺度判定・評価の基準はプロフィールを目安に設定した。 2.上肢ジストニア(書痙、奏楽手痙)患者に対するボツリヌス毒素療法、MAB療法について 目的:上肢ジストニアに対するボツリヌス療法・MAB療法の効果について検討した。針筋電図を用い上肢ジストニア(書痙、奏楽手痙)の患者に対してボツリヌス毒素療法やMAB療法を継続している患者18名(男性9名、女性9名、平均年齢53.3歳、平均投与回数19.0回)について検討した。疾患は書痙が7例、奏楽手痙が3例、上肢ジストニア(範囲が広いもの)が8例であった。症状については①母指が屈曲するもの、②手首が掌屈するもの、③手首が背屈するもの、④範囲が広いもの、⑤母指以外の指に限局するもの、の5つになった。全例で有効なため治療が継続されている。結論:上肢ジストニア(書痙、奏楽手痙)にはBTX療法やMAB療法は有用である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況については、やや遅れている。 その理由としては、2021年については、コロナウイルス流行の影響を受け、直接面談および実験室での動作分析および筋電図測定の実施が不可能であったことが影響した。 しかしながら、ZoomやLINEなどを利用し、オンラインでアンケート調査およびアスリートへのインタビューを実施することができた。研究成果については、専修大学スポーツ研究紀要に投稿し採択された。また2022年度は、日本神経学会学術大会などの学会で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルスの流行状況にもよるが、イップス症状を呈しているおよびジストニア患者の筋電図および動作分析を実施すると同時に、それらの不随意動作を改善するための対策について明らかにする予定である。研究成果は、国内外の学術誌に投稿予定宇である。
研究担当責任者は以下のとおりである。 ①研究統括:佐藤雅幸、②筋電図・動作分析担当:齋藤実、③アンケート調査担当:平田大輔、④カウンセリング・メンタルサポート担当:角田真紀子、⑤コーチング担当:李ウヨン
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症蔓延のため、直接面談および実験室での動作分析および筋電図の測定を延期した。
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