本研究では、コーチング学の教育の質保証のための教育課程編成上の参照基準の作成とその実践について検討した。まず、各国のスポーツ指導者養成プログラムの現状を分析した。結果として、いずれの指導者養成においても、スポーツ指導者に必要不可欠な運動感覚能力の養成に関わる科目の設置が不十分であることが確認された。次に、体育・スポーツ学及び近接領域の教育学、心理学の「参照基準」を理論面と実務者養成の両面から比較検討し、コーチング学の教育の質保証における参照基準を検討した。結果、実践からの帰納による人間科学的な理論構築とそれに基づく実践知形成のための教育プログラムの構築とその評価が課題として見出された。
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