• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

最大随意筋収縮の運動システムの活動を抑制する無意識の心象

研究課題

研究課題/領域番号 21K11532
研究機関早稲田大学

研究代表者

宝田 雄大  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70367093)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードgoal-priming / unconscious motivation / motor system state / TMS / pupillometry / maximal effort / shout / Silent period
研究実績の概要

研究目的の一つである形容詞「最大の」と運動行動に関連した単語(動詞)との暗示連合学習が無自覚的目標指向性行動に与える影響を調べた結果、「発揮(する)」などの身体運動の概念を持った行動目標(条件刺激)が閾下呈示され、それらが閾上呈示の前向き形容詞のひとつである「最大の」(無条件刺激)との対呈示(遅延条件づけ)は、条件刺激によって誘発される瞳孔拡張を伴った素早く力強い運動とその持続性を消失させることがわかった。つまり、「最大随意筋力を発揮する」の行動目標が望ましくない状態で心の中に内在していたことが心理的抑制要因の一つであると推測される。これは最大随意筋力測定時の測定される者の潜在知覚に焦点を当て,無自覚的に働く心像の痕跡を客観的に示した最初の研究である。
一方、シャウトが最大筋力を増加させる原因を調べてみると、シャウトが最大随意筋力を増加させ、Silent period (SP)を短縮させることがわかった。一般に、100 ms 以上のSP時間の変化は皮質内抑制の変化を反映しており、特に一次運動野(M1)の皮質内抑制の指標として使われてきた。なぜなら、SP時間の変化はM1内のGABAB-ergic circuitsによって生み出され、その起源が大よそM1であると考えられているからである 。したがって、シャウトによるSP時間の短縮はシャウト自体の運動指令がM1皮質内抑制を低減させたことを示している。つまり、シャウトによって心理的抑制(Ikai & Steinhaus、1961)が取り除かれるというよりはむしろ、シャウトに関連した運動指令のM1への追加的入力であることが示唆された。以上の研究成果は3つの国際誌で出版されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Shouting strengthens voluntary force during sustained maximal effort through enhancement of motor system state via motor commands2023

    • 著者名/発表者名
      Takarada, Y, Nozaki, D
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1038/s41598-022-20643-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 最大随意筋力に影響を与える心理的要因2023

    • 著者名/発表者名
      宝田雄大
    • 雑誌名

      体育科学

      巻: 73 ページ: 312-316

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi