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2023 年度 実施状況報告書

筋発揮タイミングから紐解く剣道初心者における気剣体不一致な打突動作の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11535
研究機関神戸親和大学

研究代表者

椿 武  神戸親和大学, 教育学部, 教授 (40582515)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード剣道初心者 / 打突動作 / 気剣体一致 / 筋電図 / 筋発揮 / タイミング / 拍子
研究実績の概要

これまでの実験では、「剣道初心者及び熟練者における筋発揮タイミングと気剣体の不一致の関係」を検討する基礎的なデータを得ることを目的として、剣道初心者を対象に様々な条件での素振り動作や打突動作を行わせ、その際の上肢の動作に関わる筋の発揮タイミングの違いを明らかにした。その結果、身体上部の8か所の筋発揮タイミングにおいては、大きい素振りと小さい素振りとでは、光刺激呈示から素振り動作を開始する際の最初に筋活動を行う筋が異なったものの、初期段階に活動する筋については同様の様相が見られた。しかしながら、すり足での動作と踏み切り足での打突動作では、動作開始直後の動作に異なる様相が見られ被験者の内省報告からもすり足での打突動作の困難さに関する解答が複数得られた。また、剣道初心者を研究対象とする場合、直前の練習内容がその後の活動に大きな影響を与えるものと思われる。
そこで、すり足及び踏み切り足での大きく振る打突と小さく振る打突の4条件の打突動作測定の前に、3拍子での素振り動作又は2拍子での素振り動作を各々20回行わせた後、踏み込みと打突の時間差(気剣体の一致度)の測定を計8条件で検討を行った。
その結果、すり足での打突動作よりも踏み切り足での打突動作のほうが打突と踏み込みの時間差が有意に小さかった。また、大きく振る動作よりも小さく振る動作のほうが時間差が小さく、小さく振る動作で踏み切り足での打突動作が一番気剣体の一致した打突に近づいた。打突と踏み込みの時間差が大きくなった要因として、剣道初心者はすり足動作の初期に左右の股関節の屈曲動作が生じ、腰が後ろ側に下がる様相が見られた。また、大きく振る動作時は、その動作が顕著に表れた。さらに直前の素振り動作を2拍子で行った際には、3拍子での素振りよりも打突と踏み込みの時間差が有意に延長した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナウィルスの感染拡大が治らない期間中での実験であったため、被験者と検者の確保や日程調整に時間を要し予定していた計画から遅れた。また、実験で使用する筋電センサと充電・データ転送装置に不具合が発生し、修理期間と被験者との再日程調整に時間を要したため、計画よりも進捗は遅れた。

今後の研究の推進方策

本年度の実験では、直前の素振り動作の拍子の違い(3拍子、2拍子)により打突動作時の気剣体一致に及ぼす影響を検討した。その結果、3拍子の素振りを行った方が2拍子素振りを行うよりも打突と踏み込みの時間差が小さかった。また、大きい振りでの打突よりも小さい振りでの踏み切り動作での打突動作が一番時間差が短かい結果が得られ、初心者への気剣体の一致した打突動作の獲得のための指導のヒントが得られた。
この結果を踏まえ、剣道初心者を対象とした介入実験を実施し、筋発揮タイミングの検討から剣道初心者が気剣体の一致した打突を効果的に獲得できる指導方法を明らかにし、研究成果の公開に向けた準備を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

被験者と検者の確保や日程調整に時間を要し、予定していた計画から遅れいている。また、また、本研究では筋発揮タイミングによる打突動作への影響を検討することを目的としているが、本研究の本実験直前に使用予定の筋電センサとデータ転送装置に不具合が発生し、修理期間と被験者との再日程調整に時間を要した。このことより、当初の計画通りの実験が実施出来なかったため、次年度に人件費、謝金を多く計上する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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