研究実績の概要 |
令和5年度は男子大学生1,900名を対象に自記式の起床と就寝,食事時刻の調査を1週間実施した.対象者は健康関連QOL(SF-36v2)日本語版とミュンヘンクロノタイプ質問紙日本語版に回答した.得られた起床と就寝時刻から睡眠時間,最初と最後の食事時刻から絶食時間を算出した.社会的時差ボケの指標は平日と休日の睡眠時間の中点の差の絶対値を用いた.食事性時差ボケの指標は平日と休日の絶食時間の中点の差の絶対値を用いた.睡眠,食事時刻の変動の指標に起床と就寝,最初と最後の食事時刻の標準偏差、睡眠,絶食時間の変動係数を用いた. 最初の食事の標準偏差と食事性時差ボケ,最初の食事時刻,絶食時間の平日と休日の差の相関係数が0.5以上であった.同様に最後の食事の標準偏差と最後の食事時刻の平日と休日の差,絶食時間の変動係数と絶食時間の平日と休日の差の相関係数がそれぞれ0.5以上であった.最初の食事と社会的および食事性時差ボケの関係が顕著であったことから,朝食時刻のバラツキを小さくする生活指導が社会的および食事性時差ボケの解消に有効であるものと考えられる.この研究成果は原著論文としてNutrientsに採択された. 身体的側面サマリスコアの高低と社会的時差ボケ,クロノタイプ,休日の絶食時間の中点,絶食時間の中点,起床・就寝時刻,最初の食事時刻の標準偏差,絶食時間に有意な差が観察された.精神的側面サマリスコアと食事性時差ボケ,絶食時間の中点,最初と最後の食事時刻の標準偏差,絶食時間の変動係数に有意な差が観察された.一方,役割/社会的側面サマリスコアと社会的時差ボケ,クロノタイプ,食事性時差ボケ,休日の絶食時間の中点に有意な差が観察された.健康関連QOL尺度と社会的時差ボケ,食事性時差ボケ,生活習慣の時間的志向性,それらの不規則性が関係することが明らかになった.この研究成果は原著論文として投稿準備である.
|