本研究では、前庭電流刺激が睡眠の導入・促進効果を有するかを明らかにすることを目的とした。睡眠状態は、脳波・眼電図・筋電図等で構成される睡眠ポリグラフ記録を行い評価した。実験は、順応条件を設けた後、刺激条件とSham条件をランダムな順番で行うように設計した。データ解析の結果、前庭に対する適切な強度の電流刺激は、健常若年成人において睡眠の導入・促進効果を持つことが示唆された。これらの研究に加えて、非侵襲的脳刺激法を用いた睡眠操作研究の基盤となる睡眠動態の概念モデルの提案と、睡眠動態の個人差の定量化を行った。
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