研究課題/領域番号 |
21K11549
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木原 成一郎 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20214851)
|
研究分担者 |
大後戸 一樹 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20632821)
中西 紘士 環太平洋大学, 次世代教育学部, 准教授 (30823637)
久保 研二 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (90594698)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ライフヒストリー / 体育専科教師 / 学級担任教師 / 授業力量 / 授業スタイル |
研究実績の概要 |
教師のライフヒストリー(以下、LHと略す)とは、「教室・学校における実践歴や,地域・社会における生活歴を含むその個人史の全体」である(藤原顕ほか,2006)。対象者の語るライフストーリーについて、調査者が対象者の実践記録等の文献資料を資料とし、対象者の置かれた時代や地域、職場の特徴をもとに解釈し、両者が共同で構築した成果がLHである。 本研究は研究の総括を務める木原が、「初心期」「中堅期」「熟練期」の期間に、多様な授業研究の経験を持つ、広島大学附属小学校の体育専科教師3名と公立中学校保健体育専科教師2名(研究1)、小学校学級担任教師5名(研究2)らの語ったライフストーリーを収集及び解釈する。 申請者は、体育教師の授業力量の要素と構造を、「信念」を中核に、その周りを「知識」と「技能」が取り囲んでいると考え、「初任期」は各要素自体が欠落している段階、「中堅期」は各要素がそろった段階、「熟練期」は各要素自体が高度化すると仮説をもつ。 特に、「教室・授業」「学校・職場」「地域・家庭・社会」等から得られた成長の契機を取り出すことで、体育教師の授業力量の「信念」「知識」「技能」の各要素と全体構造の変容を具体的に捉える。そのことにより、教員養成から「初心期」「中堅期」「熟練期」という年齢段階を経て生涯にわたる体育教師の力量の経年的形成変化を明らかにすることをめざした。 1年次は、元小学校体育専科教師の2名を対象に、教員養成入学以前から教員養成段階、教職入職後、現在に至るまでの体育・スポーツ活動に関するライフヒストリーを共同で構築した。そして、構築した2名のLHの成果を国内の体育関連学会で発表し、識者のコメントをいただき、考察を深め研究方法の改善を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請書では、1年次は、元小学校体育専科教師の3名、元中学校保健体育教師の2名を対象に、教員養成入学以前から教員養成段階、教職入職後、現在に至るまでの体育・スポーツ活動に関するライフヒストリーを共同で構築することを予定していた。しかしながら、COVID19感染拡大のため、ライフヒストリーの対象を2名に限定せざるを得なかった。そして、構築したライフヒストリーの成果を国内外の体育関連学会で発表することを予定していたが、COVID19感染拡大のため、国内学会での発表に限定せざるを得なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度には、COVID19の感染拡大の状況を見ながら、ライフヒストリーの対象を拡大し、2021年度に実施できなかった3名のライフヒストリーの対象者及び新たに小学校学級担任教師を対象に継続的な研究の継続を行う。そして、構築した数名のLHの成果を国内外の体育関連学会で発表し、識者のコメントをいただき、考察を深め研究方法の改善を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19感染拡大のため、2021年度に予定していた国際学会への参加と発表を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度は国際学会へ参加し2021年度の補助金を使用するとともに、予定していた本年度の助成金を使用して2022年度のライフヒストリーのインタビュー調査を実施する。
|