研究課題/領域番号 |
21K11555
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
金 賢植 仙台大学, 体育学部, 教授 (10738660)
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研究分担者 |
原田 健次 仙台大学, 体育学部, 教授 (00446212)
馬 佳濛 仙台大学, 体育学部, 准教授 (50453337)
佐野 裕子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (50596088) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 幼児 / 身体活動 / スクリーン時間 / 睡眠 / WHO24時間行動のガイドライン / 国際比較 |
研究実績の概要 |
国際的な健康指標である「WHOの24時間の行動ガイドライン」は、健康問題と子どもたちの生活行動との関連性を解明する一つのツールと報告されている。本研究の主な目的は、東アジア(日本・中国・韓国)の子どもを対象に、「WHOの24時間の行動ガイドライン」の充足と身体活動量に加え、座位行動および睡眠も含めた24時間全般の身体的・精神的、情緒的な健康との関連性を検討することとした。1年目では、日本東北地方の宮城県北部にある1ヶ所の小学校(247名)と7ヶ所の子ども園の子ども(301名)を対象に主観的・客観的な測定方法を用いて、24時間の行動ガイドラインと精神的健康、肥満との関連性について検討した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前・中の24時間の行動ガイドラインを検討した結果では、小学生の場合、身体活動量は減少になって、スクリーン時間と睡眠時間の増加が明らかとなった。また、幼児を対象に検討した研究結果では、流行前に比べて流行中の方が、身体活動量の減少、スクリーン時間の増加、睡眠時間の減少が確認された。なお、SDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)の5つの下位要因(情緒の問題、行為の問題、多動/不注意、仲間関係の問題、向社会的な行動)の中、向社会的な行動で有意な関連性が確認された。これらの研究結果より、COVID-19流行期間中の子どもたちの健康リスクを予防するためには、学校や子ども園で体を動かせるプログラムの普及および提案し、帰宅後TV視聴やゲームなどスクリーン時間を減らすための家庭でのルール、親の関心が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響(ロックダウン)により、中国・韓国の子どもの生活が日常とはことなるパターンとなり、幼児の調査・測定ができなかったため。 科研費の1年目の研究成果をまとめ、2編の海外学術誌と1編の国内学術誌に原著論文として掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
本年度調査・測定が行えなかった中国・韓国に対し、研究計画の目的を達成するために、計画どおりの調査・測定を行う予定である。なおデータが収集でき次第、社会に貢献できるよう学会発表や論文発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナウイルスの影響により国際比較研究の測定や調査が実施出来なかったため次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額は2022年度の測定に掛かる費用および研究成果発表費用として使用予定である。
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