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2023 年度 実施状況報告書

学校スポーツ事故対策における救急対応システムの構築と体育指導者教育への導入

研究課題

研究課題/領域番号 21K11558
研究機関国際武道大学

研究代表者

山本 利春  国際武道大学, 体育学部, 教授 (30182637)

研究分担者 笠原 政志  国際武道大学, 体育学部, 教授 (10535496)
清水 伸子  国際武道大学, 体育学部, 助教 (90808297)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード学校スポーツ事故 / 緊急時対応計画 / 救急対応 / 学校安全
研究実績の概要

学校現場の安全管理体制の構築に着目し、各学校現場に応じた緊急時対応計画(以下EAP)の作成と、緊急事態に主に迅速に対応する保体教諭における緊急時対応能力を向上するための方策を検討するため、学校教諭を対象とした学校現場の体育・スポーツ活動時における救急体制に関わる実態調査を実施した。
千葉県内の中学校、高等学校の学校管理職(以下管理職)254名と管理職を除く保健体育科教諭及び部活動指導に関わる教諭(以下教諭)922名を対象にGoogleフォームを用いて体育・スポーツ活動時のEAP作成・活用状況について質問調査を実施した。
体育・スポーツ活動時のEAPを作成しているのは、管理職93.3%、教諭75.1%、また教諭の21.2%がわからないと回答した。作成したEAPの内容は「緊急時の対応の流れ」が管理職96.2%、教諭88.3%で最も多かった。加えて、EAP作成者は教頭が71.7%で多かった。次に、種目や場所に合わせたEAPについて、教諭の30.0%が作成していた。理由は「自身や関係者がわかるようまとめておきたい」「競技や環境に合った内容を考えておきたい」が多く、作成していない理由は、必要性を感じるが「作成・活用方法がわからない」「作成時間が不足している」であった。その他、管理職・教諭の多くが教諭の知識・関心・理解が救急体制や救急対応における課題であると回答した。
管理職の大半はEAPを作成していると回答したが、教諭の中にはEAPの有無を把握していない回答もあり、学校関係者への周知が十分でないと推察される。また、EAPの作成は教頭が多いが、部活動指導者など実際の救急対応に関わる者も作成に携わることが必要であると考えられる。さらに種目や場所毎のEAP作成有無から、より詳細な体育・スポーツ活動時のEAP作成や活用に向けて、学校現場の救急対応に関する啓発や専門家の関与が必要であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、学校現場での指導・講習の受け入れが難しかったため、特定の学校を選定して(モデル校として)緊急対応計画(EAP)の立案・活用指導と救命・救急対応講習を対象学校教諭に対して実施し介入する試みは実施できなかったが、千葉県内の全ての学校を対象とした学校現場の体育・スポーツ活動中における救急対応に関する実態調査を実施することができたことから、その調査結果を基に課題抽出し、学校現場におけるEAP活用及び学校教諭の救急対応能力向上に向けた実用的教育ツールの作成と学校教諭への啓発・教示を実施していくつもりである。

今後の研究の推進方策

学校現場における緊急時対応計画(以下EAP)に関する調査結果をまとめ、概要を各学校にフィードバックするとともに、EAPの立案・活用指導および救命・救急対応講習を対象学校教諭に対して実施する。また、得られた知見および改善事項を踏まえてEAPの普及のためのフォーマットや評価シートを作成すると共に、保体教諭に対する救命・救急対応力を高めるための指導用教材およびマニュアル作成を行う

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、学校現場での指導・講習の受け入れが難しかったため、特定の学校を選定して(モデル校として)緊急対応計画(EAP)の立案・活用指導と救命・救急対応講習を対象学校教諭に対して実施し介入する試みは実施できなかったが、千葉県内の全ての学校を対象とした学校現場の体育・スポーツ活動中における救急対応に関する実態調査とその調査結果をもとに作成した学校教諭の救急対応能力向上に向けた実用的教育ツールを作成し、県内の全教員に配布して意見徴収する形に変更した。そのため、学校現場での出張講習による介入研究に関わる経費を、次年度における学校現場に配布するためのEAP活用及び学校教諭の救急対応能力向上に向けた実用的教育ツールの作成費及び教員を対象とした研修会や講演会における研究成果の公表にかかる費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 子どものスポーツ活動時のケガや事故発生時における救急対応2023

    • 著者名/発表者名
      清水伸子、山本利春
    • 雑誌名

      子どもの発育発達

      巻: 21 ページ: 101-106

  • [学会発表] 学校・スポーツ現場の救急対応に関わるファーストレスポンダーの教育~体育教師・部活動指導者~2023

    • 著者名/発表者名
      清水伸子
    • 学会等名
      第8回日本救護救急学会
    • 招待講演
  • [学会発表] スポーツ現場における救急対応~ファーストレスポンダーの社会的認知に向けて~2023

    • 著者名/発表者名
      山本利春
    • 学会等名
      第8回日本救護救急学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 学校・スポーツ現場における救急対応に関する実態2023

    • 著者名/発表者名
      笠原政志
    • 学会等名
      第12回日本アスレティックトレーニング学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 剣道の競技特性を考慮した救急対策の検討~剣道具を着用している際の傷病者の観察や対応に着目して~2023

    • 著者名/発表者名
      清水伸子、山本利春、笠原政志、岩切公治、上宇都鉄舟、児玉菜摘、濱井彩乃
    • 学会等名
      第34回日本臨床スポーツ医学会
  • [図書] 公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト5 救急対応2023

    • 著者名/発表者名
      山本利春、片寄正樹編集(山本利春、笠原政志、清水伸子他執筆)
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      文光堂(発行:日本スポーツ協会)

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公開日: 2024-12-25  

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