研究課題/領域番号 |
21K11561
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大上 安奈 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (00550104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 一酸化窒素 / 血管内皮機能 / 静脈血管伸展性 / 静脈血管平滑筋 / ビートルートジュース |
研究実績の概要 |
一酸化窒素(NO)は血管平滑筋を弛緩させ血管を拡張させる働きを有する.内皮細胞由来のNO産生経路を介した従来の検討では,安静状態における静脈血管応答はNOの調節を受けることが示されている.近年,消化管に存在する細菌の働きにより,野菜に含まれる硝酸イオンが,硝酸イオン→亜硝酸イオン→NOの順で変換されることが示されており,この経路で生じるNO活性上昇も,血管応答の調節に関与する可能性が示唆されているが,静脈血管に対する効果は明らかではない.そこで本研究では,野菜由来の硝酸イオン摂取に伴うNO活性上昇が,静脈血管応答に及ぼす影響を検討することを目的とした. 野菜由来の硝酸イオン摂取条件(ビートルートジュース摂取)とコントロール条件(硝酸イオン含量が少ないプルーンジュース)を設定した.健康な若年成人20名が,それぞれの飲料摂取の2.5~3時間後に前腕部および下腿部の静脈血管容積と伸展性を測定し,条件間で比較した.両条件は少なくとも1週間以上の間隔をあけ,ランダム順で実施した.本研究で得られた結果は以下のとおりである.ビートルートジュース摂取により血漿中の硝酸イオン濃度は上昇したが,プルーンジュース摂取では硝酸イオン濃度に変化はみられなかった.前腕部および下腿部の静脈血管容積と静脈血管伸展性はビートルートジュース摂取とプルーンジュース摂取の間で差は認められなかった.以上の結果から,健康な若年成人において,野菜由来の硝酸イオン摂取は,硝酸イオン→亜硝酸イオン→NO経路を介して体内のNO活性を高めるが,この経路で生じるNO活性上昇は静脈血管応答に影響を及ぼさないことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験は全て完了していることから,本研究はおおむね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,静的運動時や動的運動時における静脈血管応答に対するビートルートジュース摂取の影響を検討する予定である.
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