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2021 年度 実施状況報告書

ICT×アクティブラーニングによる高齢者の行動変容とフレイル予防効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K11576
研究機関富山県立大学

研究代表者

上村 一貴  富山県立大学, 工学部, 講師 (50735404)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード健康教育 / 介護予防 / 身体活動 / e-Health / 理学療法
研究実績の概要

課題①(フィージビリティスタディ)として、高齢者の介護予防を目的としたWeb会議システムによるアクティブラーニング型健康教育の実行可能性を検討した。対象はPCを所有し、Eメールの利用が可能な65歳以上の地域在住高齢者16名とした。除外基準(認知障害・運動に制限をもたらす疾患)の該当者はいなかった。対象者は、Web会議システム(zoom)の使用に関する説明を受けた後、週1回90分、12週間の「運動・栄養を中心とした高齢期の健康づくり」をテーマとしたオンライン学習プログラムに自宅から参加した。各課題について、『①基本的な情報提供と学習課題の提示→②課題に関する調査・自己学習(宿題)→③教室でのグループワークによる議論と全体での共有→④実行計画と日常生活での実践』を一連の基本的な流れとした。受容性(Acceptability)の評価として、介入後のアンケート調査により、5段階のリッカート尺度を用いて、満足度および「健康づくりに役立ったか」を聴取した。副次アウトカムとして、身体活動を活動量計で測定した歩数と中強度以上の活動により、身体機能を通常・最大歩行速度により、認知機能を処理速度 (digit symbol coding subtest) および言語流暢性により介入前後に評価し、対応のあるt検定を用いて比較した。16名(平均72.4歳、男性7名)全員が介入を完遂した。14名(87.5%)が12回全てに参加し、全員が全ての宿題を提出した。教室中の事故などの有害事象は発生しなかった。満足度は、8名(50%)が大変満足、8名(50%)がやや満足と回答した。「健康づくりに役立ったか」の質問には、8名(50%)がとてもそう思う、8名(50%)がややそう思うと回答した。歩数、中強度以上の活動、通常・最大歩行速度、処理速度に有意な改善が認められた(p<0.05)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題の第1段階として、フィージビリティスタディが完了している。オンラインのアクティブラーニング介入の受容性は良好であり、アクセスの不良な過疎地域や感染症が流行する状況において、対面での介入の代替手段となりうることが示唆された。今後、対照群を設けた研究デザインや持続効果の検証が必要であるが、課題①の結果より、Web会議システムによるアクティブラーニング型健康教育の実行可能性が示された。これらの状況より、本研究課題は概ね計画通りに進展できており、引き続き予定された計画に沿って進行していく。

今後の研究の推進方策

課題②のランダム化比較試験では、地域在住高齢者を対象として、Web会議によるアクティブラーニングを行う介入群と、介入群と同じテーマの資料をオンライン配信する対照群に、ランダムに割り付けする。主要アウトカムは身体活動とし、活動量計(ActiGraph GT3X)により強度別の活動を測定する。副次アウトカムとして、フレイルを基本チェックリスト(厚生労働省)により評価する。また、ソーシャルネットワークや抑うつ症状などの心理社会的要因、および食習慣について質問紙を用いて調査する。介入前と各評価時点のアウトカムの変化量を群間比較することで、介入による効果を判定する。
研究の実施に当たっては、研究協力者と綿密な打ち合わせを行い、各分野の専門家から研究手法に関してアドバイスを得る。また、資料・情報収集および研究成果発表のために学会に参加する。

次年度使用額が生じた理由

2022年度交付予定の直接経費120万円に加え、通信費に使用予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Feasibility of active learning health education by video conferencing among older adults2021

    • 著者名/発表者名
      Uemura Kazuki、Watanabe Atsuya、Kamitani Tsukasa、Yamada Minoru、Saho Kenshi、Okamoto Hiroshi
    • 雑誌名

      Geriatrics & Gerontology International

      巻: 21 ページ: 1064~1066

    • DOI

      10.1111/ggi.14281

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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