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2023 年度 実績報告書

柿タンニンが関与する腸内細菌叢の変化と肥満予防との関連

研究課題

研究課題/領域番号 21K11587
研究機関畿央大学

研究代表者

松村 羊子  畿央大学, 健康科学部, 教授 (80412154)

研究分担者 栢野 新市  畿央大学, 健康科学部, 教授 (40412150)
伊藤 利洋  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00595712)
今北 英高  埼玉県立大学, 理学療法学科/大学院研究科, 教授 (00412148)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード柿タンニン / 肥満
研究実績の概要

柿タンニンは高分子で、複雑な構造を有し強くたんぱく質と結合する性質をもつ。そのため、消化吸収しないとされてきたが、筆者らは食餌由来のタンニンが生体内で低分子化している可能性があることを見出している。筆者らは、タンニンを酸加水分解して低分子化し、HPLCによって分析を行った結果、加水分解によってHPLCのクロマトグラムは変化し、分解物のピークが出現することを確認した。現在は分取カラムを用いて、当該ピークを分取するところまでは進んだが、そこから低分子化化合物を単離するところまでは至っていない。また再現性についても、検討を続けている。化合物が単離できた際には、その構造を特定するべく分析を続けている。
また、柿タンニンの肥満予防効果を評価するため、タンニンを添加した高脂肪食をラットに11週間投与した動物実験を実施した。体重および摂食量においては有意な差は認められなかったが、肝臓の脂肪組織の面積がタンニン添加高脂肪食群において顕著に低下した。また、TGおよびコレステロールを測定した結果、肝臓のコレステロールがタンニン添加高脂肪食群において有意に低下していた。TGにおいて低下傾向は認められたが、有意差は認められなかった。しかし、タンニンの摂取が高脂肪食摂取による肥満傾向を抑制することが示唆された。また解剖終了時に、盲腸内容物を採取し、腸内細菌叢の解析を行った。その結果、タンニンの摂取によって、腸内細菌叢が変化し、Bacillota/Bacteroidota比が高脂肪食群はもとよりコントロール群よりも低下する結果となった。これは腸内細菌叢が抗肥満型に変化したことを意味する。また、脂質代謝に関与するとされるAkkeemansia muciniphilaの相対量が顕著に増加し、腸内細菌叢が抗肥満型に変化したことが裏付けられた。現在これらの結果に基づき、論文執筆中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Antiviral Effect of Candies Containing Persimmon-Derived Tannin against SARS-CoV-2 Delta Strain2023

    • 著者名/発表者名
      Ryutaro Furukawa, Masahiro Kitabatake, Noriko Ouji-Sageshima, Dai Tomita, Makiko Kumamoto, Yuki Suzuki, Akiyo Nakano, Ryuichi Nakano, Yoko Matsumura, Shin-ichi Kayano, Hisakazu Yano, Shinji Tamaki and Toshihiro Ito
    • 雑誌名

      Viruses

      巻: 15 ページ: 1636(1-10)

    • DOI

      10.3390/v15081636

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 高脂肪食投与ラットに対する柿タンニンの影響2023

    • 著者名/発表者名
      松下美稀、大園千晴、餅田尚子、北畠正大、伊藤利洋、菊﨑泰枝、栢野新市、松村羊子
    • 学会等名
      第 62 回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会
  • [学会発表] 高脂肪食投与ラットの腸内細菌叢に対する柿タンニンの影響2023

    • 著者名/発表者名
      大園千晴、松下美稀、餅田尚子、北畠正大、伊藤利洋、菊﨑泰枝、栢野新市、松村羊子
    • 学会等名
      第 62 回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会

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公開日: 2024-12-25  

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