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2023 年度 実施状況報告書

生活習慣の乱れによる骨格筋機能低下の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11591
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

安倍 知紀  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00736605)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード骨格筋 / 生体リズム / 体内時計 / 肥満 / ロコモティブシンドローム
研究実績の概要

本研究の目的は、生活習慣の乱れによるさまざまな疾患発症の基盤として骨格筋の質および量の低下があると考え、その分子メカニズムを明らかにすることである。令和5年度は、当初の計画にあった骨格筋ミトコンドリア機能に関する検討に加えて、生活習慣の乱れが骨格筋細胞の細胞老化を引き起こすのではないかと新たに考え、検討を行った。さらに、培養細胞を用いたin vitroモデル細胞の作成も行った。
時差ぼけと高脂肪高ショ糖食を8週間負荷したマウスの腓腹筋について細胞老化マーカーの発現量をmRNAおよびタンパク質レベルで検討したところ、対照群(時差ぼけなし、普通食)のマウスに比べていくつかの細胞老化マーカーの発現量が増大する傾向にあることを見出した。そのメカニズムとして、酸化ストレスの増大が関わっている可能性が考えられた。他の臓器でも骨格筋と同じように細胞老化マーカーの発現量が増大しているかどうかを検討中である。また、先行研究により高脂肪食は単独で細胞老化を惹起することが知られている(Sone and Kagawa. Diabetologia, 2005)。時差ぼけ単独、または食事時刻の乱れといった生活習慣の乱れが独立して細胞老化を引き起こすかどうか確認する必要がある。
さらに上記の細胞老化状態にある骨格筋細胞をin vitroにおいて再現するため、D-ガラクトースをマウス由来筋細胞株C2C12およびsol8に添加して細胞老化を誘導した。細胞老化したC2C12とsol8は、筋萎縮や筋分化能の低下といった表現型を有しており、in vitroの老化筋細胞モデルとして利用可能であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

他業務の多忙のため、当初の研究計画通りに進めることができなかった。加えて、計画段階では想定していなかった細胞老化に関する検討を行うこととしたため、3年間で研究を完了することができなかった。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画にあった、生活習慣の乱れによる骨格筋ミトコンドリア機能に関する研究に取り組む。さらに、細胞老化に関する検討も並行して行い、令和6年度に本研究計画を完了する予定である。

次年度使用額が生じた理由

他業務の多忙のため、当初の研究計画を完了することができなかったために次年度使用額が生じた。令和6年度は、生活習慣を乱したマウスの骨格筋ミトコンドリア機能に関する研究と、骨格筋細胞の細胞老化がミトコンドリア機能障害を誘発する機序の検討を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Sudachitin and Nobiletin Stimulate Lipolysis via Activation of the cAMP/PKA/HSL Pathway in 3T3-L1 Adipocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Abe Tomoki、Sato Tomoyuki、Murotomi Kazutoshi
    • 雑誌名

      Foods

      巻: 12 ページ: 1947~1947

    • DOI

      10.3390/foods12101947

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 中鎖脂肪酸の摂取時刻の違いが高脂肪高ショ糖食給餌マウスにおける抗肥満作用に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      安倍知紀
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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