研究課題/領域番号 |
21K11602
|
研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
渡辺 睦行 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (90365809)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 疲労 / テアニン / ストレス |
研究実績の概要 |
「ストレス反応は疲労感を覆い隠す」という説が報告されている。現在、市場には疲労感の軽減を目的として、GABAやテアニン、クエン酸など様々な機能性表示食品が多く出回っているが、仮に、これらの食品が「ストレス反応を増強させることによって疲労感を覆い隠している」のだとすれば、疲労そのものが軽減されていないにも関わらず、疲労感のみが軽減されていることになる。すると、これらの食品を摂取した人は無理をして仕事や運動を続けてしまい、鬱や過労死などの重大な問題が生じる可能性がある。よって、ストレス、疲労、疲労感を区別した機能性の評価が重要である。 本研究では、テアニンを摂取させたのちにマウスを1時間遊泳させ疲労を負荷し、その時の疲労の度合いを評価するモデル「疲労感軽減効果評価モデル」と、強制遊泳により疲労困憊させた直後のマウスにテアニンを投与し、その後の疲労の度合いを経時的に評価するモデル「疲労回復効果評価モデル」の2つのモデルを用いてテアニンの効果を検証した。 「疲労回復効果評価モデル」では、テアニンに疲労軽減効果・ストレス軽減効果はみられなかったが、疲労感を軽減する可能性は示された。また、本研究の短時間の強制遊泳による疲労負荷は、eIF-2αをリン酸化させることが報告されている4種類の酵素すべてのmRNA発現量を増加させてないことも明らかになった。「疲労感軽減効果評価モデル」を用いたテアニンの評価は現在進行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、食品成分を摂取させた後に疲労を負荷し疲労の度合いを評価する「疲労感軽減効果評価モデル」と、疲労困憊度に食品成分を摂取させ疲労からの回復を評価する「疲労回復効果評価モデル」の2つのモデルを用いて実施している。「疲労回復効果評価モデル」での検討は終了しているが、モニタリングシステムの不具合により「疲労感軽減効果評価モデル」での検討が一時中断し、全ての解析が終了しなかった。なお、現在は不具合も解消し順調に解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
実施が遅れている解析を進めると主に、今年度は、「疲労感軽減効果評価モデル」と「疲労回復効果評価モデル」の2つのモデルを用いてクエン酸の機能を評価する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の「やや遅れ」により、研究費の執行を次年度に持ち越しました。 疲労感の評価をするためのELISAキットや消耗品を購入する予定です。
|