本研究では、クエン酸、テアニン、GABAの摂取が「疲労」「疲労感」「ストレス」に及ぼす影響をそれぞれ評価したが、いずれの食品成分においても明確な効果はみられなかった。一方、クエン酸の摂取は、疲労の分子メカニズムに影響を与えなかったものの、マウスの遊泳時間を延長した。したがって、クエン酸の摂取は疲労の分子メカニズムとは別の経路でマウスの遊泳時間を延長した可能性が示された。今度は、クエン酸による遊泳延長メカニズムを明らかにすると共に、そもそも本研究の前提となった「疲労の分子メカニズム自体」の妥当性についても検討していく必要があると考えられる。
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