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2023 年度 実績報告書

機能性表示食品における臨床試験とシステマティック・レビューの内的妥当性評価研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11604
研究機関東京農業大学

研究代表者

上岡 洋晴  東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエビデンス / 機能性表示食品 / 臨床試験 / バイアスリスク / システマティック・レビュー
研究実績の概要

最終年度は、「日本の機能性表示食品において届出されたシステマティック・レビュー(SR)についての横断研究:AMSTAR 2による質評価」という研究を実施した。これは、最新の届出されたSRの研究の質について、2017年にアップデートされたAMSTAR 2を用いて評価し、SRの不適切な方法となっているその特徴を明らかにすることを目的とした。2022年4月1日から2022年10月31日までに消費者庁HPに公表された記号番号HシリーズのSRで、具体的にはH1-H535の届出でSRの届出撤回を取り除いた519編のうち、ランダム抽出した40編のSRを評価した。
その結果、36編(90%)が定性的なレビューで、4編(10%)がメタアナリシスを実施したレビューであった。全体の信頼性評価では、「高(High)」が0編(0%)、「中(Moderate)」が0編(0%)、「低(Low)」が2編(5%)、「Critically low」が38編(95%)であった。とくに信頼性を下げていたのは、「プロトコールの事前登録の欠如」、「包括的な検索戦略の不備」、「バイアスリスク評価の結果を考察や結論に適切に反映していない」ことであった。このように2022年代という最近のSRにおいても質の向上がみられないことを明らかにした。
本研究では、当初の計画で掲げたすべての研究を完了することができた。要約すると、機能性表示食品制度において届出された科学的根拠としての臨床試験では、プロトコールと論文中に記載されている内容の不一致が多く、またバイアスリスクが高い論文が多いという重要な知見を得ることができた。また、SRにおいても、研究方法論としての質の低い届出がかなりの割合を占めることを明らかにすることができた。これは、今後の届出における質の向上を促すことの基盤となる成果であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A Cross-Sectional Study Based on Forty Systematic Reviews of Foods with Function Claims (FFC) in Japan: Quality Assessment Using AMSTAR 22023

    • 著者名/発表者名
      Kamioka H, Origasa H, Tsutani K, et al.
    • 雑誌名

      Nutrients

      巻: 15 ページ: 2047

    • DOI

      10.3390/nu15092047

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 国際標準のガイドラインとは2023

    • 著者名/発表者名
      上岡洋晴
    • 学会等名
      第70回日本栄養改善学会 栄養政策:厚生労働省との連携シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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