研究課題
本研究では、ウェットとドライ研究を融合したシステムバイオロジーにより、実生活における環境因子入力と、それに対する概日時計応答のさらなる理解を目指した。新規に哺乳類の概日時計を模した数理モデルを構築し、環境因子に対する応答をシステマティックに評価することを目指した。さらに、ウェアラブルデバイス、アプリにより蓄積されたヒト大規模データから、リバーストランスレーショナル研究を推進し、新規に作成した不規則な生活モデルマウスを用いて、実生活に見られるゆらぎ、「不規則な生活による健康被害」の科学的な理解を目指した。実験では、不規則な生活モデルマウスの作成を、明暗を毎日少しずつ変えることで作成し、その周期性も3日、7日、14日と分けることで、不規則さをシステマティックに解析する系を整えた。行動リズムでは、3日周期の不規則な変化には追いつくことが難しく、一方で14日周期には追いつくことができることを確認した。また、埋込型の体温センサーを用いて、マウス深部体温の日内リズムの位相を抽出する方法を検討した。フィッティング方法をいくつか検討し、有効な方法を見出した。その方法を用いて、様々な光条件で飼育したマウスの体温を解析し、明暗の変化と、中枢時計(行動リズム)、末梢時計(深部体温リズム)のそれぞれの間で起こる時差ボケ状態の数値化に成功した。その結果、3日おきに明暗を変化させることで、最も生体内における時差ボケが大きくなることが分かった。一方でその時差ボケの影響として、LPS投与による体温上昇や低下を指標としていたが、LPS応答が不安定で再現性が乏しく、有意な関連を見いだせないという結論に至った。また、食事管理アプリの利用者データから、クロノタイプや社会的時差ボケと関連する食パターンについて解析を行い、論文化することができた。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
International Journal of Molecular Sciences
巻: 25 ページ: 2494~2494
10.3390/ijms25052494
Nutrition Reviews
巻: - ページ: nuad167
10.1093/nutrit/nuad167
Chronobiology International
巻: 40 ページ: 1546~1556
10.1080/07420528.2023.2285314
Nutrients
巻: 15 ページ: 2165~2165
10.3390/nu15092165
Frontiers in Nutrition
巻: 10 ページ: 5143
10.3389/fnut.2023.1131887
巻: 40 ページ: 1235~1243
10.1080/07420528.2023.2256855
Bioscience of Microbiota, Food and Health
巻: 42 ページ: 114~123
10.12938/bmfh.2022-029
巻: 10 ページ: 2023
10.3389/fnut.2023.1183320