エクソソームとは、体液中に存在する直径50-150 nmの脂質二重膜の小胞である。近年、我々は坐骨神経部分結紮(PSNL)マウスの肝臓から血液中に分泌されたエクソソームの二重膜上で補体C5の発現が増加し、これが痛みを悪化させることを発見した。本研究では、他の神経障害性疼痛モデルマウスを用いて解析を行った。 本研究において、PSNL同様に神経を結紮した場合や糖尿病モデルで同様の事象が生じることを明らかにした。一方で、抗がん剤誘発末梢神経障害モデルでは補体C5の発現が減少し、これは抗がん剤による免疫抑制作用が肝臓補体C5の減少を引き起こし、血中エクソソームに反映されたものであることが明らかとなった。
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