脂質代謝酵素であるDDHD1は内因性カンナビノイドの産生酵素であり、ある特定の種類の神経変性疾患の原因遺伝子である。今回の研究では、DDHD1がリン酸化修飾を受けるタンパク質であり、そのリン酸化がDDHD1の機能を調節することを明らかにした。また、修飾酵素をいくつか同定し、その標的部位を特定した。DDHD1が鉄代謝とクロストークする新たな現象もいくつか見つけている。一例として、鉄の蓄積がDDHD1の機能低下をもたらすことを明らかにした。DDHD1の機能調節異常は脂質代謝の恒常性破綻を引き起こし、様々な神経変性疾患の発症や病態の増悪につながると考えられる。
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