研究課題/領域番号 |
21K11637
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
棗 寿喜 東海大学, 医学部, 助教 (90761841)
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研究分担者 |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒストン / 翻訳後修飾 / 骨格筋 / 筋萎縮 / 老化 / サルコペニア / サテライト細胞 / 加齢 |
研究実績の概要 |
加齢によって生じる過度な骨格筋の萎縮は加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)として知られている。骨格筋は遅筋線維と速筋線維に大別され、サルコペニアは主に速筋線維が選択的に委縮することが特徴である。そして、運動はサルコペニアを抑制する有効な手段のひとつである。運動によって産生される代表的な代謝産物である乳酸は、エピジェネティックな機構の一つであるヒストンのラクチル化を引き起こすことが知られている。我々は運動によるサルコペニアの抑制にヒストンのラクチル化が影響していると仮説を立てた。現在は昨年度から引き続きサルコペニアモデルを作成するためにマウスの飼育を継続している。また、マウスへの運動介入によってヒストンのラクチル化が生じるか検証している。具体的には、マウスをトレッドミル上にて強制走をおこなわせた。その後、マウスの骨格筋をサンプリングした後、ヒストン修飾の変化をウエスタンブロットまたは免疫染色によって評価した。その結果、ヒストンのラクチル化が運動後に変化することが明らかになった。今後は老齢動物におけるヒストンのラクチル化と遺伝子の関連性についてさらに解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画通りに実験を進めることができたため概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、マウスの飼育を行い老化モデルを作成する。2023年度の途中で飼育していたマウスが生後2年半以上経過するため、サルコペニアモデルマウスとしてヒストン修飾のラクチル化が変化するか否かについて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体など必要な消耗品を購入した際に研究費にあまりが生じた。次年度の消耗品費購入に充てる予定である。
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