研究課題/領域番号 |
21K11653
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
高橋 競 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60719326)
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研究分担者 |
小橋 元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60270782)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
飯島 勝矢 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00334384)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 排泄 / アクションリサーチ / トイレ / 便秘 / 過敏性腸症候群 |
研究実績の概要 |
本研究は、乳幼児期から高齢期までのライフステージ毎の排便支援要因を可視化し、生涯を通した切れ目のない(シームレスな)排便支援モデルを構築することを目的とする。さらに、ポピュレーション・アプローチの考え方を参考にしながら、研究結果に基づいた健康教育活動を実施し、構築したモデルの社会実装を試みる。 研究期間内に、ライフステージ毎の排便支援要因の可視化(乳幼児期の便秘、学童期のトイレ利用、成人期の過敏性腸症候群、高齢期の便秘)、乳幼児期から高齢期までのシームレスな排便支援モデルの構築、排便支援モデルの社会実装を行う。 初年度は、ライフステージ毎の排便支援要因の可視化に注力した。はじめに、排泄関連のガイドラインや論文の文献レビューを行い、最新の学術的知見を整理した。乳幼児期の便秘について、新生児コホート研究の準備を進めた。また、地域住民(成人および高齢者)を対象とした調査を実施し、データを整理し、成人期の過敏性腸症候群と高齢期の便秘に関する分析に着手した。さらに、地域の民生委員25名を対象に、排便に関する健康教育活動を試行した。研究者が作成した教材(小冊子とチェックシート)を用い、排便障害の予防や改善に役立つ生活習慣を伝えた。活動の前後で排便障害の頻度に有意な差はなかったものの、排便への意識の変化を示すコメントが多く寄せられた。また、参加者全員が、小冊子とチェックシートを使用して生活習慣を見直し、周囲の人々にも小冊子の内容を伝えていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳幼児期の便秘について、当初の予定よりも若干遅れてはいるものの、新生児コホート研究実施の目途は立っている。学童期のトイレ利用については、研究協力者と調査計画の検討を続けている。成人期の過敏性腸症候群と高齢期の便秘については、データ収集が完了し、分析に着手できている。 社会実装(健康教育活動)について、計画を前倒しして試行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
新生児コホート研究や学童を対象にした調査の準備を進め、乳幼児期の便秘や学童期のトイレ利用に関するデータを収集する。成人期の過敏性腸症候群と高齢期の便秘については、収集したデータの分析を進める。 全ての分析結果を統合し、乳幼児期から高齢期までのシームレスな排便支援モデルを構築する。さらに、構築したモデルを分かりやすく伝えるための教材を作成する。 教材を用いた健康教育活動を実施し、効果検証を重ねながら教材のアップデートを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新生児コホート調査と学童を対象にした調査が未実施であることから、関連費用が未使用になった。また、学会での発表や論文の出版費等の研究成果発表にかかる費用が予定よりも少額になった。次年度は、主に、乳幼児と学童を対象にした調査、成人期と高齢期の研究成果発表に研究費を使用する予定である。
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