研究課題/領域番号 |
21K11670
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 将記 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (30711189)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 時間栄養学 / 血糖値 / 絶食時間 / 機能性食品 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、個々人の体内時計・生活リズムを考慮した食後血糖値予測モデルを構築し、糖尿病予防に活用することとした。また血糖値抑制効果を有する食品や飲料摂取時における血糖値反応の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー)の要因を探索し、血糖値予測モデルとの併用により個別化栄養学への応用を目指す。 初年度は、健康な成人を対象として日常生活下における様々な生体情報を1-2週間程度取得した【研究課題 1】。なお2日間は、規定食を提供し、食事負荷試験を実施した。評価項目は、持続型血糖値センサー(評価期間は連続的に計測)、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食習慣に関する質問紙調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査などを実施した。参加者を追加し、一定の規模になった時点で、食後血糖値をメインアウトカムとし、機械学習 を行い、個々人の食後血糖値を予測するアルゴリズムを作成する。【研究課題 1】と並行して、若年者を対象に、朝食時に機能性食品を摂取する試行と夕食時に機能性食品を摂取する試行を比較した【研究課題 2】。評価項目は、【研究課題 1】と同様の内容とした。これまでの主な結果として、食後血糖値が高い夕食時において、機能性食品の血糖値抑制効果が高いことが示唆されている。今後、個人の腸内細菌叢や体内時計と機能性食品による血糖値抑制効果の関連を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響はあったものの、若年者を中心として、日常生活下における持続型血糖値センサーの測定と各種健康関連指標の評価、実験室ベースの食事負荷試験、機能性食品を用いた臨床試験を実施した。 健常な若年者を対象に、日常生活下における24時間連続血糖値センサー、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食物摂取頻度調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、身体活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査を行った【研究課題 1】。24時間連続血糖値センサーは、1-2週間程度取得した。なお2日間は、規定食を提供し、食事負荷試験を行った。食事負荷試験は、朝食および夕食試行の2試行とし、各試行の食事負荷量は、推定エネルギー量の40%、主要栄養素のエネルギー比率は炭水化物70%、脂質15%、タンパク質15%とした。今回の試験食のエネルギー量ならびにエネルギー比率は、我々の先行研究に基づき設定し、食後血糖値・インスリン濃度の上昇を十分に確認できる食事負荷量とした。本研究における朝食試行は午前8時、夕食試行は18時から開始した。それぞれの試行において空腹時、食後30分、食後60分、食後120分、食後180分に採血を行い、血液分析項目としてグルコース、インスリン、インクレチンを評価している。 【研究課題 1】と並行して、朝食と夕食時に機能性食品を摂取する試行を比較した【研究課題 2】。評価項目は、【研究課題 1】と同様の内容とした。これまでの主な結果として、夕食時において機能性食品の血糖値抑制効果が高いことが示唆されており、学会発表を予定している。今後、個人の腸内細菌叢や体内時計と機能性食品による血糖値抑制効果の関連を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画として、対象者数を追加するとともに、【研究課題1】の様々なデータをデータベース化する。一定の規模になった時点で、食後血糖値をメインアウトカムとし、機械学習 を行い、個人の食後血糖値を予測するアルゴリズムを作成する。 次に、【研究課題 2】で使用した別の機能性食品における血糖値反応の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー)の要因を探索する。具体的には、これまでの検討で血糖値抑制効果が高かった食物繊維を用いて、朝食と夕食時の血糖値抑制効果の個人差に及ぼす因子を探索する。被験者30名程度を対象に、朝食時に食物繊維を摂取する試行と夕食時にこれらの飲料や食品を摂取する試行を比較する。プラセボ条件は、これまでの検討と同様に食事負荷量(推定エネルギー必要量の40%)を同じにし、血糖値抑制効果を有する食物繊維を除いたプラセボ食品を摂取する。評価項目は、【研究課題1-2】と同様に、24時間連続血糖値センサー、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食物摂取頻度調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、身体活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査とする。特に、個人の腸内細菌叢に着目し、特定の菌叢と食後血糖値抑制効果の関連を探索する。さらに、機能性食品の違いにより関連する菌叢が異なるのかについても検討する。成果発表については、国内外の学会発表を予定しており、国際誌への論文投稿も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者の実験参加のキャンセル等により、翌年度に繰り越しを行い、翌年度に請求した助成金と合わせて使用する。
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