2019年7月~2022年11月にエコチル山梨に参加した8歳児2055例に対して血清25(OH)Dを測定し、それぞれの小学校でその年に行われたスポーツテストの結果(握力、上体起こし、長座体前屈、反復横飛び、シャトルラン、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ)の結果をアンケート形式で調査した。25(OH)Dの測定は1539例に行われ、スポーツテストの結果は最終的に697例から回収できた。25(OH)Dは男性の平均が23.6ng/ml、女性が22.7ng/mlで有意に男性の方が高値であった。25(OH)Dの値が不足の指標である30ng/ml未満の症例は89.3%、欠乏の指標の20ng/ml未満は27.7%の症例で認められた。採血を行った季節ごとの25(OH)Dの変化を見ると夏、秋に高値であり、冬、春に低値であった。次に季節ごとの差を考慮し、3,4,5月に採血を行った群、6,7,8月に採血を行った群、9,10,11月に採血を行った群、12,1,2月に採血を行った群に分け、それぞれの群において血清25(OH)Dとスポーツテストの項目ごとの成績との相関を調査した。その結果は3,4,5月に採血した群において、男性はシャトルラン、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ、女性では握力、長座体前屈、反復横跳び、シャトルラン、立ち幅跳び結果と25(OH)Dの値が有意な相関を示した。それ以外の季節に採血を行った群においてはスポーツテストの結果と25(OH)Dの値に相関関係は認められなかった。
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