研究課題/領域番号 |
21K11677
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
榊原 伊織 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50734662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 運動 / エピゲノム / 転写 |
研究実績の概要 |
高齢社会の現在、全身の筋力低下(サルコペニア)は重要な課題である。運動はサルコペニアの予防作用を有しており、運動の骨格筋への作用機構を分子レベルで解明することは新しいサルコペニアの予防・治療薬の開発につながるため、非常に有意義である。運動の刺激は骨格筋の遺伝子発現を変化させるが、運動刺激を骨格筋の遺伝子の発現変化へと変換する分子機構には不明な点が多い。運動による転写制御には、1回の運動による一過性の転写誘導と継続的な運動による持続する転写変化に分けることができる。継続的な運動トレーニングによって引き起こされた骨格筋の形質変化は、しばらくは維持されることから、エピゲノムによる制御機構の関与が考えられる。遺伝子発現は、転写因子とエピゲノム修飾酵素によって制御されるため、運動によって活性化される転写因子とエピゲノム修飾酵素を同定することが重要である。本研究ではトレッドミル運動後のマウスから骨格筋を採取し、核を単離した上で、定量プロテオミクス解析、ならびにリン酸化プロテオミクス解析を行った。その結果、多数の候補遺伝子を同定することができた。続いて、各候補遺伝子が運動誘導性転写制御を行うかどうか検証するために、Crispr/Cas9を用いて、各遺伝子の欠損C2C12筋芽細胞株を作製し、in vitroでの運動モデルによる転写制御機能を検証した。これらの結果、運動誘導性転写制御を担う複数の遺伝子を同定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度はリン酸化プロテオミクスで得られた候補遺伝子のin vitroでの検証を行なったが、in vitroの実験系の構築、および、遺伝子欠損細胞株の作製が非常に順調に進んだ。そのため、既に複数の運動の効果を制御する遺伝子を同定することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、同定された遺伝子がin vivoでの運動による転写制御における役割を検証するために、各遺伝子の遺伝欠損マウスを作製し、生理機能を解析する。また、未検証の候補遺伝子を効率良く検証する新規スクリーニング法を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
11,949円が未使用額として残ったが、少額である。翌年度の使用計画に大きな変更はなく、当初の予定通りに執行する。
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