研究課題/領域番号 |
21K11679
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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研究分担者 |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
南里 妃名子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 室長 (20612435)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遺伝子損傷 / 酸化ストレス / 身体活動 / がん |
研究実績の概要 |
本研究では、酸化ストレス関連バイオマーカーが、がん罹患と関連するかについて、1万人規模の地域住民コ-ホートの10年間追跡で把握したがん罹患データを用いて明らかにするとともに、がん罹患予測スコアを開発し、その妥当性について10万人規模のコ-ホート研究で評価することを目的としている。 昨年度、新型コロナワクチン関連の研究のために測定方法の確立が間に合わなかった分を取り戻すために、本年度は測定系の確立に注力した。活性酸素やフリーラジカルによって過酸化された脂質、たんぱく質、アミノ酸、核酸などの酸性変性物質の総称であるヒドロペルオキシドの血液中の濃度(d-ROMs)を呈色反応で計測する測定系と、血液中に存在する抗酸化物質が酸化鉄イオンを2価鉄イオンに還元する能力を生体内の総還元力(抗酸化能力、BAP)として呈色反応で計測する測定方法の確立を完了し、実検体の測定に取り掛かる予定であった。しかし、ピペッティングロボット Andrewを使用することで、さらに少量の検体を使用し、一度に測定できる検体数を増やすことが分かり、それを使用することで、短期間で測定完了できる可能性が出てきた。そこで、本年度は、Andrewを使用する測定系の完成のために改良を継続した結果、実検体の測定は次年度に実施することとなった。 がん罹患に関しては、すでに10年間の罹患情報は把握済みであり、本年度は2021年までの死因別死亡情報の確定まで行った。 測定系の完成が順調にいけば、次年度中には測定を終了し、本研究の主目的である、がん罹患リスクとの関連を検討できる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度、新型コロナウイルス感染症関連の研究を最優先としたため、測定系の確立が完了していなかった。本年度はd-ROMsとBAPのAndrewを使用する測定系はほぼ確立したが、実検体の測定が未完了のため、これらを用いた検討はできなかった。そこで、調査票をもとに酸化ストレススコアを作成し、酸化ストレスによる遺伝子損傷マーカである尿中8OHdGとの関連について、男女別に検討し有意な相関がみられることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はd-ROMsおよびBAPの測定をすすめ、酸化ストレススコアの妥当性評価や、がん罹患に関する追跡データの整備を行い、その後、追跡研究の手法(カプランマイヤー法、比例ハザードモデルなど)によりd-ROMsおよびBAPとがん死亡や罹患との関連の検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定系の確立に使用する試薬や消耗品類は、昨年度購入していたことに加え、実測のための試薬等奈購入しなかったため
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