研究課題/領域番号 |
21K11693
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柴田 愛 筑波大学, 体育系, 准教授 (30454119)
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研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
石井 香織 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10548697)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リモートワーク / 座位行動 / 新型コロナウイルス / ワークエンゲージメント / 労働生産性 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、リモートワーカーにおける座りすぎの実態ならびにその健康・労働影響を明らかにするとともに、座りすぎを助長している要因を特定する。その研究成果を基に、リモートワーカーの座りすぎ解消のための介入プログラムを試行し、わが国において増加するリモートワーカーの座りすぎ対策に関する科学的基盤を構築することである。2年目である2022年度は、リモートワーカーを含む20-59歳のデスクワーカーを対象とした縦断調査のベースラインデータ(n=2,265)を用いて、仕事および移動中における座位時間に関連する就業場所周辺の近隣環境要因を主観・客観双方から検討を行った。その結果、簡易版近隣歩行環境質問紙日本語版(ANEWS-J)を使用した主観的近隣環境については、就業場所周辺が歩きやすい環境であると感じているとは、仕事中や公共交通機関利用時の座位時間が長いこと、車利用時の座位時間が短いことと関連していた。さらに、Walk Scoreを使用した客観的近隣環境においても、就業場所周辺がより歩きやすい環境であることは、車利用時の座位時間が短いことと関連していたが、仕事中や公共交通機関との関連は認められなかった。これらのことから、就業場所周辺の近隣環境の歩きやすさは、就業時間前後の通勤や余暇活動には影響を及ぼし得るが、仕事中の座位行動の多寡には、就業場所内の環境などその他の要因が大きく関与している可能性が示唆された。今後は、仕事中の座位行動に関連する就業場所内の環境要因の検討を行い、介入開発の一助とする予定である。加えて、今年度は、先行研究の概観および昨年度のWeb調査および関連既存データの解析結果をもとに、協力企業と介入プログラムに使用するアプリケーション開発に取り掛かかり、プロトタイプ作成まで終了した。次年度は、アプリケーションを完成させ、介入研究を試行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介入プログラムのための開発や調査が順調に進んでいるため、概ね計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
概ね予定通り進展しているため、次年度は介入プログラム実施、引き続き観察研究成果の学術論文作成・投稿を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、学術論文を執筆中であるため、今年度に英文校正費が使用できなかった。次年度初頭に使用する予定である。
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