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2022 年度 実施状況報告書

慢性炎症による老化促進メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11695
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

金田 勇人  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40528212)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード老化
研究実績の概要

昨年度には、抗炎症ホルモンである糖質コルチコイドの制御系が、一般的にいわれているメカニズムが決定的ではない事を明らかにした。新規の制御遺伝子を同定するためには、in vivoでの遺伝子スクリーニング系が必要となる。そこで、レンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて遺伝子の機能阻害ができるかどうか検討を行っている。また、ゲノム編集技術を応用した新しい方法についても検討を行っている。
一方で、これまでの研究に基づき、幹細胞老化と関連する転写因子として同定した遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスの作成を行ってきた。このマウスを用いて組織特異的な幹細胞老化を誘導することで、どの組織が老化への寄与が高いのかある程度調べることができると考えられる。このマウスにタモキシフェンを投与して腸管上皮幹細胞で早期に老化を誘導し、腸だけでなく様々な遠隔組織への老化様症状の誘導について確認を行った。その結果、脳における炎症マーカーIL-6や細胞老化マーカーp16Ink4aの発現誘導、皮膚のコラーゲン陽性領域の減少、腎臓のボウマン嚢の腫大や糸球体の線維化などの老化現象として知られている症状の早期誘導が観察された。同様に、皮膚の表皮幹細胞でも早期老化を誘導し、他組織への影響を調べている。腸管上皮幹細胞の場合と同様に早期老化様症状の誘導がなされている事が確認されたが、その影響には多少違いがあることも観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りHPA系の新規制御遺伝子の探索と機能確認を進めているだけでなく、作製した遺伝子改変マウスを用いて各組織の老化への寄与の違いについても確認できているため。

今後の研究の推進方策

in vivoスクリーニング系による解析を進めて、老化耐性機構に重要な遺伝子の探索・同定・機能解析を進める。幹細胞老化の誘導系については一度まとめて、引き続きどの組織が重要なのかを調べていく。

次年度使用額が生じた理由

ほとんど計画した予算通り使用しており、端数を有効に利用するために次年度使用額としたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Induction of tissue-specific premature stem cell aging via DNA damage response dysregulation promotes senescence-like phenotypes in remote multiple organs2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Ikuno, Koichiro Watanabe, Yumi Kakeya, Toshimasa Nakabo, Dai Ihara, Noriki Fujimoto, Hayato Naka-Kaneda
    • 学会等名
      World Congress of Dermatology
    • 国際学会
  • [学会発表] 組織特異的な早期幹細胞老化による老化様症状の誘導2023

    • 著者名/発表者名
      金田 勇人、生野 泰彬、渡邉 耕一郎、掛谷 侑美、中坊 豪克、成本 彩乃、寒出 祐紀恵、林 朋樹、馬渕 洋、中村 志穂、岡野 栄之、井原 大、勝山 裕
    • 学会等名
      日本再生医療学会
  • [学会発表] ローヤルゼリーの幹細胞老化における効果2023

    • 著者名/発表者名
      中坊 豪克、篠原 陽平、生野泰彬、渡邉耕一郎、掛谷侑美、成本 彩乃、寒出 祐紀恵、林 朋樹、奥村暢章、岡本秀人、兵頭拓真、白井学、井原 大、勝山 裕、金田 勇人
    • 学会等名
      日本再生医療学会
  • [学会発表] Induction of tissue-specific premature stem cell aging promotes senescence-like phenotypes in remote multiple organs2022

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Ikuno, Koichiro Watanabe, Yumi Kakeya, Toshimasa Nakabo, Dai Ihara, Noriki Fujimoto, Hayato Naka-Kaneda
    • 学会等名
      The European Society for Dermatological Research
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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