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2022 年度 実施状況報告書

レプチン・メラノコルチン系摂食抑制シグナルに着目した小児肥満のエクソーム解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K11701
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

中島 久和  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80363985)

研究分担者 森 潤  地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (20750011)
森元 英周  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20827539)
福原 正太  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80817685)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード小児肥満 / レプチン-メラノコルチン摂食抑制系 / 次世代シーケンサ / ゲノム解析
研究実績の概要

小児肥満(症)患者あるいは成人に達した小児肥満症経験者について、レプチンメラノコルチン摂食抑制系に関わる遺伝子群の病的バリアントを検出する率を研究する計画である。レプチン遺伝子、レプチン受容体遺伝子、プロオピオメラノコルチン(POMC)遺伝子、MC4R遺伝子などを標的として次世代シーケンサーを用いて、遺伝子の塩基配列を解析する。データベースと照合し既知の病的バリアントの検出する。病的意義が不明なバリアントが検出された場合はPolyPhen2などのタンパク質の機能予測モデルプログラムを利用し、病的意義を考察する。
2022年度は京都府立医科大学医学倫理審査委員会における審査にて研究許可の承認を得た。2022年10月から研究対象者のエントリーを開始した。2023年3月末時点で12例の小児期に発症した肥満症の患者をエントリーした。現在、本研究コホートの参加者について末梢血からテンプレートDNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いて遺伝子を解析中である。また、次年度以降も研究対象者を増やして、解析を進める予定である。
別の研究コホートとして甲状腺ホルモン2型脱ヨード酵素遺伝子の多型、rs225014 (DIO2, Thr92Ala)について検討した。Ala/Ala多型は小児肥満者に占める割合が15.1%、非肥満者の6.3%と比べてオッズ比3.393 (p=0.003)と高かった。多変量解析でもオッズ比3.757[95%CI,1.645-8.580; p=0.002]であった。rs225015は小児肥満のリスクを高める遺伝子多型である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年7月に京都府立医科大学医学倫理審査委員会の初回申請を行った。審査委員による何度かの査読・修正を必要とした。2022年9月をもって本学倫理審査委員会の審査を通過し、研究開始の承認を得た。2022年10月から小児肥満患者、あるいはかつて小児肥満であった成人経験者を研究対象としたリクルートを開始した。2023年3月末をもって12名の患者の説明・同意(インフォームド・コンセント)を取得した。また、コロナウイルス感染症パンデミックの時期に重なり、一般的に病院受診が控えられるような政策誘導・風潮があり研究対象者の数を増やすことが困難であった。
以上のように医学倫理審査に多大な時間と労力を要したため、研究対象候補者に対する説明同意(インフォームド・コンセント)の作業を開始する時期が非常に遅れたため研究進捗が遅滞している。またコロナウイルスパンデミックの影響を受けたことも研究進捗のおくれに影響したと思われる。

今後の研究の推進方策

研究対象者のエントリーを増やす試みを継続する。京都府立医科大学附属病院の通院患者だけではなく、連携施設の協力を要請する必要がある。多施設共同研究に移行するため、本研究に参加意向がある施設を募る。本学倫理委員会には倫理審査の外部機関一括審査を依頼する。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は本コホート研究を開始するにあたり、京都府立医科大学医学倫理委員会による承認審査の作業を行った。何度かの査読・修正を経て、医学倫理委員会の承認を取得できた。研究対象者のエントリーが開始され、研究対象者の数を増やしている段階である。次世代シーケンサーによる遺伝子解析をまだ実施するに至っていない。よって次年度に次世代シーケンサによる網羅的遺伝子解析を行う予定であり、そのための費用として繰り越した研究費を利用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] High-fat diet during pregnancy lowers fetal weight and has a long-lasting adverse effect on brown adipose tissue in the offspring2022

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Mihoko、Mori Jun、Nishida Nozomi、Miyagaki Satoshi、Kawabe Yasuhiro、Ota Takeshi、Morimoto Hidechika、Tsuma Yusuke、Fukuhara Shota、Ogata Takehiro、Okamaura Takuro、Nakanishi Naoko、Hamaguchi Masahide、Nakajima Hisakazu、Fukui Michiaki、Iehara Tomoko
    • 雑誌名

      Journal of Developmental Origins of Health and Disease

      巻: 14 ページ: 261~271

    • DOI

      10.1017/S2040174422000551

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association of Type 2 Deiodinase Thr92Ala Polymorphism with Pediatric Obesity in Japanese Children: A Case-Control Study2022

    • 著者名/発表者名
      Ota Takeshi、Mori Jun、Kawabe Yasuhiro、Morimoto Hidechika、Fukuhara Shota、Kodo Kazuki、Sugimoto Satoru、Kosaka Kitaro、Nakajima Hisakazu、Hosoi Hajime
    • 雑誌名

      Children

      巻: 9 ページ: 1421~1421

    • DOI

      10.3390/children9101421

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Case of Infantile Alagille Syndrome With Severe Dyslipidemia: New Insight into Lipid Metabolism and Therapeutics2022

    • 著者名/発表者名
      Nakajima Hisakazu、Tsuma Yusuke、Fukuhara Shota、Kodo Kazuki
    • 雑誌名

      Journal of the Endocrine Society

      巻: 6 ページ: bvac005

    • DOI

      10.1210/jendso/bvac005

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] テストステロン治療にて肥満症の改善をみた思春期クラインフェルター症候群2022

    • 著者名/発表者名
      中島久和、福原正太、森潤
    • 学会等名
      第42回日本肥満学会・第39回日本肥満症治療学会
  • [学会発表] KCNQ1遺伝子変異による歯肉線維腫症を合併する成長ホルモン分泌不全性低身長症の1例2022

    • 著者名/発表者名
      中島久和、幸道和樹、森元英周、杉本哲
    • 学会等名
      第54回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] PHEXに新規病的バリアントを認めた遺伝性低リン血性くる病の1例2022

    • 著者名/発表者名
      中島久和、山口美穂子、森潤、森元英周、河辺泰宏、杉本哲、木崎善郎
    • 学会等名
      第32回臨床内分泌代謝Update

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公開日: 2023-12-25  

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