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2022 年度 実施状況報告書

マインドフルネス食観トレーニングに関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11705
研究機関福岡県立大学

研究代表者

小山 憲一郎  福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (80620880)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード肥満 / マインドフルネス食観察トレーニング / MB-EAT / Hunger Rumination / 情動的摂食 / 外発的摂食 / 抑制的摂食 / 失体感症
研究実績の概要

マインドフルネスと失体感症が肥満の原因になる心理学的な摂食行動(情動的摂食、外発的摂食、抑制的摂食)にどのような関連をしているかについて明らかにすることを目的とし、大学生(N=106、BMI=19.39±5.61)に対し、質問紙調査を実施し、そのデータを共分散構造分析を用いて解析し、肥満症治療学会にてポスター発表を行った。
1)マインドフルネスは摂食行動、失体感症傾向のすべてを緩和する効果を持つ。
2)失体感症傾向は、わずかに情動的摂食を低めるが、外発的摂食を高める。今回の調査対象が健常な大学生であり、痩身であるものが多かったこと、ストレスにより拒食傾向になるものも一定数いることによってこの結果になった可能性も考えられる。肥満症者を対象にした質問紙調査が望まれる。3)抑制的摂食は情動的摂食を高める強い効果を持ち、高められた情動的摂食は、外発的摂食を高めるという摂食行動の負の連鎖が起こる。その一方、マインドフルネスは抑制的摂食を軽減することで、有意に情動的摂食を低める。これは、MB-EATのトレーニングの中で、食事を無理に制限せず、適量をしっかりと味わうことで満足して食行動を終えられるように指導していくことの後ろ盾になるといえよう。
また、肥満症の治療に参加していた肥満症患者から「食べ物のことが頭に浮かんで離れなる時」について具体的な自由記述を求め、そのデータを基に「Hunger Rumination」尺度草案を作成した。その尺度草案を基に大学生を対象とした質問紙調査を行い、Hunger Rumination尺度を作成した。この結果についても2022年度の日本肥満症治療学会にてポスター発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初作成を予定していたHunger Ruminationのパイロット研究が終了した。今後はこの尺度を用いて実際の肥満症者対象に調査を行っていくことで、様々な角度からマインドフルネスのトレーニング効果機序を検討できるようになる。

今後の研究の推進方策

Hunger Rumination尺度の肥満症者対象にした標準化を推進する。
また、そこで作られた尺度を基に、マインドフルネスのトレーニングが、思考反すうを抑制することで抑うつや不安を軽減していくという従来の作用機序に対応して、肥満症においても食物に関連する思考反すうを軽減することで情動的摂食を軽減していくという作用機序を示したい。

次年度使用額が生じた理由

今後は、今年度作成したHunger Rumination尺度を肥満者対象に標準化するとともに、マインドフルネスや、食行動との関連について質問紙研究を行う予定である。その際有償のWeb Researchを複数回実施していくことで、研究をスムーズに進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] "ディタッチトでマインドフルな気づきは、直接的かつ即時的にポジティブ感情を高める作用を持っている;小確幸発見体験というPositive Side Effect of the Detached Mindfulness"2023

    • 著者名/発表者名
      小山憲一郎 穴繁結奈
    • 雑誌名

      福岡県立大学人間社会学部紀要

      巻: 31 ページ: 35-46

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] "困難克服過程で受けた支えに対する感謝が成人期以降の時間的展望に及ぼす影響ー世代継承性を育む体験の一つとしての子育てに着目してー"2023

    • 著者名/発表者名
      下満由貴 小山憲一郎
    • 雑誌名

      福岡県立大学心理臨床研究

      巻: 15 ページ: 7-16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] "マインドフルネスがもたらす肥満症治療への効果ー体験的理解のすすめー"2022

    • 著者名/発表者名
      小山憲一郎
    • 学会等名
      第40回日本肥満症治療学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Hunger Rumination尺度開発のパイロット研究2022

    • 著者名/発表者名
      小山憲一郎 山田夏凛 川津優 野崎剛弘
    • 学会等名
      第40回日本肥満症治療学会
  • [学会発表] コロナ禍で大学生は何をストレスに感じ、どのようにコーピングしてきたかに関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      矢冨里佳 小山憲一郎
    • 学会等名
      第22回日本認知療法・認知行動療法学会

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公開日: 2023-12-25  

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