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2021 年度 実施状況報告書

ロイシン摂取による骨格筋mTORC1活性化を促進・抑制する新規制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11715
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

神崎 圭太  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (30637286)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードSestrin2 / GATOR2 / muscle contraction / leucine
研究実績の概要

2021年度は,筋収縮運動が,ロイシン摂取後に起こるとされる,Sestrin2(ロイシンセンサー)のGATOR2複合体からの解離,およびRagA・BとmTORC1の結合を促進するか否かを明らかにすることを目的とし,実験を行った.
C57BL/6J雄性マウスをコントロール群とロイシン群に分類した(各n=8).一晩の絶食後,イソフルラン吸引麻酔下において,下腿三頭筋に3秒間の最大収縮を10回×3セット負荷した.反対脚は安静脚として用いた.収縮終了2時間後に,ロイシン群には10 mmol/kg体重のロイシン溶液を,コントロール群には等量の蒸留水を投与した.その30分後に腓腹筋を採取し,分析に供した.
抗Sestrin2抗体を用いた共免疫沈降では,ロイシン摂取と筋収縮のいずれも,Sestrin2に結合するWDR24およびMios(いずれもGATOR2構成タンパク質)の量を低下させないことが観察された.この結果は当初の予測とは異なったため,ラット腓腹筋においても同様の検討を行ったが,マウスと同様に,Sestrin2のGATOR2複合体からの解離はみられなかった.mTORC1とRagA・Bの結合については,mTORC1構成タンパク質である抗Raptor抗体を用いて,現在解析中である.
以上のように,2021年度の研究では,骨格筋においては,Sestrin1とは異なり,Sestrin2はロイシンセンサーとして機能しておらず,筋収縮運動もSestrin2の機能に影響を及ぼさないことを示唆する結果が得られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Sestrin2とGATOR2複合体の結合状態の解析に時間を要したため,2021年度中に終える予定であったRagA・BとmTORC1の結合状態の解析を終えることができなかった.共免疫沈降法の手技も確立したため,2022年度の早期に解析を終わらせ,2022年度に予定していた研究を進めたい.

今後の研究の推進方策

2021年度当初はSestrin2とGATOR2複合体との結合を,抗WDR24(GATOR2構成タンパク質)抗体を用いた共免疫沈降法にて検討する予定であった.しかし,この方法ではSestrin2の検出量が少なかったため,群・脚間の差異を検出できないと判断し,抗Sestrin2抗体を用いる共免疫沈降法を行うこととした.この方法の確立に時間を要したが,不活動や疾患ではSestrinの発現量が低下することが報告されているため,不活動・疾患モデルを用いる2022年度以降の研究にもこの方法を用い,予定通り研究を進めたい.

次年度使用額が生じた理由

2021年度は,抗Raptor抗体を用いた共免疫沈降法によるRagA・BとmTORC1の結合状態の解析を終えることができなかった.そのため,次年度使用額が生じた.次年度使用額はこの解析に用いる試薬の購入にあてたい.

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公開日: 2022-12-28  

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