近年,同量のロイシン(またはたんぱく質)を摂取しても,骨格筋タンパク質合成の増加が健康な若年者よりも高まらない「同化抵抗性」という現象が,加齢,疾病への罹患,活動量の低下などによって生じることが知られるようになってきた.しかし,同化抵抗性の分子メカニズムはあまり明らかになっていない.本研究ではロイシンセンサーとして同定されたSestrinの機能低下が,同化抵抗性の原因であるという仮説を,不活動モデルと糖尿病モデルで検討したが,この仮説を支持する結果は得られなかった.この成果は他のロイシンセンサーや,Sestrinの下流に位置するRag二量体などに着目した検討の必要性を示すものである.
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