研究課題/領域番号 |
21K11721
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山本 眞由美 岐阜大学, 保健管理センター, 教授 (40313879)
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研究分担者 |
佐々木 正大 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20547533)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / SARS-CoV-2 / 大学生 / 顕性感染 / 不顕性感染 / 抗SARS-CoV-2中和抗体 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急事態宣言直前に大学に入学したG大学生を対象に、2020年4月(パンデミック前)に採血した保存血清と2022年2月に採血した血清を用いて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するIgG抗体を経時的に測定した。全員に丁寧な説明(口頭ならびに文書による)を実施し、研究に対する同意の得られた250人に参加協力を得ることができた。このデータと各学生の生活背景質問票の回答結果を総合的に分析して、我が国における大学生の感染率と抗体獲得率を明らかにするとともに、社会の感染者発生動向および学生の生活背景(独居・通学、課外活動など)との関係について解析を進めている。 さらに、上記の250人のうち120人を対象に2023年2月に再度、IgG抗体を追加測定することができた。ワクチン接種回数や学生を取りまく社会の感染症発生状況が2022年から2023年にかけて大きく変化したので、さらに比較検討ができることは、本研究のさらなる発展が期待できる。これらの作業は順調に進んでおり、期待以上の進展につながっている。 今後は、IgG抗体価に加え感染防御抗体(抗SARS-CoV-2中和抗体)量とその機能について、精密な分析を進める。これらの結果から、大学生(若年成人層)では顕性・不顕性感染ともに感染防御能を獲得できるのか、この感染防御能はどのくらいの期間持続するのか、再感染はあるのか、等について検討する。 以上より、大学生の感染防御能獲得の実態を明らかにし、今まで大学で講じられた感染対策措置(学校閉鎖、課外活動中止、学会中止、リモート教育など)の効果や妥当性を評価する。さらに、社会活動性の高い若年成人層に対しての感染症対策を検討するための疫学的根拠を提供する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急事態宣言直前に大学に入学したG大学生250人を対象に、2020年4月(パンデミック前)に採血した保存血清と2022年2月に採血した血清を用い、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するIgG抗体を測定し、その後、ワクチン接種回数や接種率が増加したので2023年2月にはそのうちの120人にIgG抗体を追加測定した。全員に丁寧な説明をし、同意書記載によるインフォームドコンセントを得、採血を実施、抗体測定を実施した。これらの作業は極めて順調に進んでおり、期待以上の進展につながっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、250人および120人の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するIgG抗体価の2020年~2023年にかけての変化を分析し、我が国における大学生の感染率と抗体獲得率、およびこれらに影響を与える諸因子(社会の感染者発生動向や学生の生活背景)との関係について疫学統計学的に解析する。さらに、本IgG抗体陽性者の血清を用いて、IgG抗体価と感染防御抗体(抗SARS-CoV-2中和抗体)量とその機能について、精密な分析を進める。特に大学生の顕性・不顕性感染、感染防御能の獲得と持続期間、再感染の有無などに注目し検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19 IgG 抗体測定費用が、近年の諸物価高騰の影響を受け、増加したため。
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