研究実績の概要 |
オキシトシンシステムの欠損によってアルコール嗜好性が高まるかを明らかにするために、オキシトシン欠損マウス(OXT KO), オキシトシン受容体欠損マウス(OXTR KO)を用いて二瓶選択試験を行った。水が入った瓶とエタノールが入った瓶を設置し双方の飲量を調べ、嗜好性を評価した。OXT KO, OXTR KO いずれも野生型(WT)と比較してエタノール嗜好性に差はみられなかった。次にアルコールの諸障害における OXT/OXTR の機能を調べるため、以下の行動解析を行った。Wire Hanging Testにより運動機能や筋力を評価した。エタノールを腹腔内投与しマウスを金網にしがみつかせ、ひっくり返してから落下するまでの時間を計測した。OXT KO, OXTR KO マウスともに、エタノール 投与 35 分後の落下時間が WTと比較して有意に短くなり、オキシトシンシステムの欠損により、エタノール摂取後の運動機能の回復力の低下が示唆された。 (2) Open Field Testにより不安行動を評価した。エタノールを腹腔内投与し Open Field boxにマウスを入れ 10 分間の行動を記録した。OXT KO, OXTR KOともに WTと比較して有意な差はなかった。(3) Tail Suspension Testによりうつ様行動を評価した。エタノール腹腔内投与後に マウスの尾を固定して宙づりにし 6 分間の不動時間を計測した。OXT KO, OXTR KOともに WTと比較して有意な差はなかった。 (4) Loss of Righting Reflex Testにて 運動機能を評価した。エタノールを腹腔内投与しマウスを仰臥位に置き、回復するまでに要する時間を計測した。OXT KO, OXTR KO マウスともに WT マウスと比較して有意な差はなかった。
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