研究課題/領域番号 |
21K11730
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
井上 里加子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (10508039)
|
研究分担者 |
入江 康至 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70303948)
原野 かおり 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (00390253)
國澤 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (80376615)
弓岡 仁美 大阪成蹊短期大学, 栄養学科, 准教授 (30781025)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 低栄養 / 腸内細菌叢 / 高齢者 / 発酵食品 / たんぱく質・エネルギー低栄養(PEM) |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本人高齢者のPEM発症と関連する腸内細菌叢のパターンを解明し,PEM発症の新規のメカニズムを明らかにすることである.また,食事による腸内細菌叢の改善によって,PEM発症予防につなげる知見を得ることを試みる. 昨年度までに,入所高齢者を対象に横断研究を実施し,栄養状態をはじめ身体状況や血液検査,排便状況,食事調査,免疫機能を調査し,腸内細菌叢や代謝産物などの分析を行った,高齢者のPEMのリスク評価の手法として報告されている高齢者栄養評価指標 (Geriatric Nutritional Risk Index; GNRI)を用いてPEMのリスクについて検討し,栄養状態と関連が示唆される腸内細菌を含む因子について確認している. それらの因子に着目して,発酵試験食品を用いたクロスオーバー介入試験を実施し,入所高齢者を対象として発酵試験食品による栄養状態と腸内細菌叢への影響と,併せて腸内細菌叢のパターン毎に試験食品に対する栄養状態改善効果に違いがみられるかについて検証を進めている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢者を対象とした横断研究と発酵試験食品を用いたクロスオーバー介入試験を実施し,ヒトを対象とした検討については進めることができている.クロスオーバー介入試験について,現段階で介入群と対照群で各40名の協力者を得ることができたが,目標サンプルサイズの各群50名までには至っていない.そのため2024年度にも更に別の高齢者施設でクロスオーバー介入試験を実施を予定しているため,ノトバイオティックマウスを用いた検討について遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
ヒトを対象とした横断研究の分析を進めていく中で,低レベルの炎症が高齢者の栄養状態に大きく影響を与えることが示唆された.そのため,ヒト試験について追加分析し,低レベルの炎症状態での腸内細菌の特徴や,対象者から得られた血清や糞便のサンプルを用いて,炎症との関連が報告されている腸の透過性や腐敗産物についても調査し分析を行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
介入研究を実施したが,サンプルサイズを満たしていないため引き続き協力施設を増やし介入研究対象者を増やし検討するために,次年度にその予算を残している.
|