研究課題/領域番号 |
21K11759
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
福永 拓郎 中央大学, 理工学部, 教授 (60452314)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スケジューリング / 分散データベース / 共フロー / ハイパーグラフマッチング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ネットワーク設計の理論をさらに発展させ,最先端通信技術にも有用な数理技術を得ることである.例えば,最先端通信技術を支える無線通信では,無線電波を送受信するためのコストや電波の干渉,環境ノイズの影響による不確実性など,これまでのネットワーク設計の枠組みでは扱い難い特徴を持つ.また,多くの通信ネットワークは高い要求を満足させるために計画的な運用を行う必要があり,その中で,ネットワーク設計のこれまでの研究では取り上げられてこなかった課題が多く存在する.本研究ではこれらの要素や課題をネットワーク設計の枠組みの中でモデル化し,数理技術に裏打ちされた新たなアルゴリズムの開発に挑む. 2021年度は,分散データベースにおける効率的なスケジューリングを動機として提案された共フロースケジューリング問題の研究に取り組んだ.共フロースケジューリング問題に対する時刻インデックス線形計画緩和の整数性について調べ,これまで知られていた結果を改善する新たな上界値を得ることに成功した.その過程で,共フロースケジューリング問題とハイパーグラフマッチングとの関連について新たな発見を得るなど,今後の進展も期待できる研究成果を得ることができた. また,並行してセンサーネットワークの分散制御に関する研究を進めるために,課題の特定など環境整備を行った.通信プロトコルに関する書籍や関連分野の論文の調査を通して,情報収集を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
共フロースケジューリング問題について先行研究で知られていた成果を改善するような新たな研究成果を得られた.また,その過程で,今後の研究の進展が期待できる新たな研究アイデアも得られており,想定以上に研究がしている.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に得られた研究アイデアを発展させることで,共フロースケジューリングやその関連問題についてさらに研究を深める.同時に,通信ネットワークに関する他の課題についても並行して準備を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
出張予定の変更,研究会の参加費の見積もりからのずれ,計算機の購入時期を後ろ倒ししたことなどから次年度使用額が生じた.使用用途は変更せず,使用時期を翌年度に変更する.
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