研究課題/領域番号 |
21K11765
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
フン・ドック トゥアン 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20633465)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 省エネデータセンター / 処理速度可変 / 遅延 / 流体極限 / 安定条件 |
研究実績の概要 |
現代の情報社会を支える情報基盤が大規模データセンターである.大規模データセンターは数万のコンピュータで構成され,大量の電力を消費している.しかしながら,現実ではこれらのコンピュータの稼働率が30~40%に留まる.そこで自然な考え方として,仕事量に応じて稼働コンピュータの台数を調整することで高性能を維持しながら電力消費量を抑えている.申請者はこの問題に着目して,研究を進め該当年度において,いくつかの研究成果を上げ,論文として発表している.代表的な結果として,ジョブの処理時間が相型分布に従う場合と系内の仕事量に応じてサービスの速度を複数の閾値で制御し,動的に変化するモデルを提案・解析した.この成果はQueueing Systems誌で出版された.さらに,サーバをグループで起動したり,シャットダウンしたりすることで,データセンター内の電力を抑えながら性能を維持する方法について提案・解析を行い,その成果がIEEE Transactions on Mobile Computing誌にて掲載された.それに加え,速度可変サービスシステムの確率モデルを網羅的にサーベイし,英文書籍の一章として出版した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進め,提案課題に関する複数の論文を出版することができた.特に,サーバをグループで起動したり,シャットダウンしたりするモデルをIEEE Transactions on Mobile Computing誌に掲載できた点が特筆である.
|
今後の研究の推進方策 |
これまでのモデルではジョブの処理時間及びサーバの起動時間が指数分布や相型分布など限定的な分布で解析した.今後の方策として,これらの分布をより汎用性の高いものに変えて解析することで,これらの分布がどのようにシステムの性能に影響を与えているかを詳しく調べる.加えて,更に大規模システムの評価に向けて,サーバ数が無限大に近づく場合の電力消費量などの性能評価量の導出を目指す.
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍より,出張などの一部が実施できず,少しの金額が次年度に使うことにした.具体的に英文書籍を購入する予定である.
|